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カレー食中毒で注目「ウェルシュ菌」 気になる症状と殺菌方法と予防|健康・医療ニュース

「一晩寝かせたカレー」は「おいしい」のが半ば定説となっているようだが、そんなおいしいカレーでも、保存方法などを誤れば食中毒の原因となる。

「一晩寝かせたカレー」で集団食中毒が起こったことで、その原因となる「ウェルシュ菌」に注目が集まっている。

カレー集団食中毒の経緯

2017年3月8日、東京都世田谷区の私立幼稚園の園児67人と教職員9人の合計76人が下痢・腹痛・嘔吐などの症状を訴えたという。

複数の患者の便から「ウェルシュ菌」が検出されたため、保健所は患者たちが8日昼に食べたカレーが原因であると断定した。

報道によると、問題となったカレーは、前日7日の午前11時頃から教職員と園児が2つの大きな鍋を使って作り、そのままの状態で一晩常温で保存していたという。そして、食べる前に再加熱したようだ。

どうやら、「一晩常温で保存していた」という部分が問題であるらしい。

ウェルシュ菌とは

ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は、人や動物の腸管内や土壌、下水など、自然界に広く存在する。肉や魚、野菜などの食材にも付着し、体内に大量に取り込まれると、食中毒を引き起こす場合がある。

ウェルシュ菌は、熱に強い芽胞(がほう)を作り、この状態では熱しても死滅しないという。

嫌気性菌であるため、酸素が無い食品の中心部や鍋の底を好む。また、加熱によって鍋の中が低酸素状態になるのもウェルシュ菌にとって好条件となる。そして、ウェルシュ菌が好む温度にまで食品の温度が下がると、発芽して急速に増殖を始める。食品の温度が55℃くらいまで下がると発芽し始め、43℃~45℃で急速に増殖を始めるという。

上述の事例のように、大量に食事を調理するような給食施設などで発生することが多く、「給食病」、「給食菌」、「カフェテリア菌」などの異名もあるようだ。

ウェルシュ菌による食中毒の症状

ウェルシュ菌の潜伏期間は、約6~18時間で、平均10時間とされている。

症状は、腹痛や下痢が多く、症状としては軽いものが多いらしい。しかし、今回の事例のように嘔吐することもあると考えられる。

ウェルシュ菌の殺菌方法・予防方法

ウェルシュ菌は、「芽胞」の状態になると、かなり熱に強くなるため、加熱ではなかなか殺菌できないようだ。100℃で6時間加熱しても死滅しないという。

やはりウェルシュ菌が増殖する前に食べてしまうのが最も好ましいだろう。前日に調理したものなど調理してから時間の経ったものを食べるのはできるだけ避けた方がよい。

一晩寝かす場合には、次のことに気を付けよう。

・大量に加熱調理した場合、食品の温度が下がるスピードが遅くなるため、ウェルシュ菌が増殖しやすい温度がそれだけ長く保たれることになる。そういった温度を保たないように気を付ける。

・そのためには、厚みの無い容器などに小分けにして移し替え、氷や保冷剤の上で混ぜることにより、急速に冷却して粗熱をできるだけ早く取る。

・そして、再び食する場合には、ウェルシュ菌が嫌気性であることから、よくかき混ぜて空気を食品内部に取り込むことを意識して、しっかり加熱することが重要だ。

冬も終わり気温も大分上がってきた。食品の衛生状況にはさらに気を付けるようにしたいものだ。

 

参考資料:
・『「一晩寝かせたカレー」食中毒ご注意 ウェルシュ菌増殖』、朝日新聞デジタル、2017年4月11日、http://www.asahi.com/articles/ASK463CMDK46UTFL002.html?iref=comtop_favorite_01
・『ウェルシュ菌』、東京都福祉保健局のウェブサイト、http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/uerusyu.html
・『家庭で発生しやすい食中毒菌と殺菌方法』、ニチレイのウェブサイト、https://www.nichirei.co.jp/koras/category/knowing/002.html
・『食中毒(ウェルシュ菌)とは?』、サラヤ公式サイト、http://family.saraya.com/kansen/uerushu/index.html


カテゴリ: 健康・医療

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