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モスクワ ハムレット?の詩を暗唱していた10歳の少年を強制連行 少年「助けて!」

ロシアの首都モスクワで、街頭で詩を暗唱していた10歳の少年が警察官に連行される様子を撮影した動画が物議を醸している。

動画では、警察官とみられる男女数人が、泣き叫ぶ男の子を無理やり連行している様子が収められている。

メディアによると、この少年はオスカル・ミロノフ君というようだ。そして、この動画を撮っていたのは、少年の継母だという。

警察の主張によると、少年が連行されたのは、路上で物乞いをしていたためだという。

ただ、少年の父親は、息子は演劇の練習のために声を出して詩を暗唱していただけだったと語っているという。シェークスピアのハムレットの詩だったようだ。

カンタはこう思う

ニュースだけを読むと、ロシアでは言論統制がなされていて、言論の自由が保障されていない印象を受ける。

現在のロシアでは、確かにそういった部分もあるかもしれないが、どうやらこの事件の背景には、そういったことよりも、ロシアにおける物乞いや乞食と呼ばれる社会問題があるようだ。

ロシアでは、物乞いや乞食、ホームレスを使ってお金を集める組織が存在しており、どうやら今回少年が連行されたのも、そういった物乞いビジネスの取り締まりの一環であった可能性がある。

乞食ビジネスは、かなり巨大に組織化されており、人身売買などで子供が実質的な奴隷のような扱いをされている場合もあるという。

参考:モスクワの物乞いについての衝撃的な記事

こういった話は、日本にいると信じられないかもしれないが、世界的に見てそれほど珍しい話ではなく、東南アジアなどでもよく聞く。

私もタイに行ったとき、バンコクの路上で数多くの物乞いを見たことがある。そして、多くの人が片手や片足を失っていたり、幼い子供を抱えたりしていたのを見た。

聞くところによると、そういった物乞い達は、組織によって運営されており、朝に大きなトラックがやってきて、物乞い達を所定の位置に配置し、夜になると回収していくのだという。

そして、物乞い達の中には、通行人たちの同情を誘うために、腕や足などを切り落とされたりする人もいるという。物乞いに子供が多いのも、同情を誘いやすいからだろう。

昔の話になるが、偶然読んだ地元紙バンコク・ポストの記事によると、そういった乞食たちの平均年収は、インドの医者の平均年収を上回るという分析もされていたようだ。

もちろん、そういった組織化された職業としての乞食ではなく、本当に生活に困窮した人も多くいるだろう。

ただ、私自身はそういった乞食ビジネスの話を聞いて、とてもジレンマに悩まされたのを思い出す。

乞食がいたらお金をあげるのが良いと言う人もいる。それによって、目の前の人は助かるだろう、という意見だ。これはある意味正しいと思う。

しかし、同時に、乞食にお金をあげることで、裏にある組織が儲かることになり、人身売買や乞食ビジネスの存続に繋がるとも考えられる。

目の前にいる物乞いにあげたお金のほとんどは、裏の組織にピンハネされるのである。10ドルあげたら、おそらくそのうちの9ドル以上は裏の組織へ渡るわけだ。それは、間接的に裏の組織へ資金を提供しているのと同じではないだろうか。

私がこんなことで悩んでいても仕方ないし、余計なことを考えずに小銭をあげれば良いと思ったこともある。しかし、乞食ビジネスがなくならないのは、結局個人個人がそのように考えて行動した結果の集大成であるともいえる。

話がだいぶそれてしまった。

今回のモスクワで少年が連行された出来事については、どうやら言論統制というところではなく、ロシアでも蔓延る物乞いビジネスの摘発という側面が強そうだ。

継母が物乞いとして少年を働かせ搾取していたという見方もある。

ただ、たとえ少年が物乞いとして働いていたとしても、少年は犠牲者であるし、強制連行するのは少し違うのではないだろうか。

 

参考資料:
・『ロシアに衝撃、詩を暗唱していた10歳少年を警察が強制連行』、AFP、2017年5月28日、http://www.afpbb.com/articles/-/3129863?cx_tag=pc_rankday&cx_position=5#cxrecs_s

カテゴリ: ロシアニュース

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