2018年8月20日、爆薬を自宅で製造したとして、名古屋市緑区の19歳の少年が爆発物取締罰則違反(製造など)の疑いで逮捕された。
爆薬は、欧米で「魔王(サタン)の母」とも呼ばれるものだという。
「魔王の母」とは
欧米で「魔王の母」もしくは「サタンの母」とも呼ばれる爆薬は、「過酸化アセトン(TATP)」という高性能爆薬。
過酸化アセトンは、わずかな衝撃や摩擦や火花でも爆発する威力の強い爆薬だという。
2015年11月に起こったパリの同時テロや、2016年のベルギー同時テロでも使われた爆薬のようだ。また、「イスラム国(IS)」が用いることでも知られているという。
逮捕に至った経緯
2018年3月に、名古屋市名東区にある公園で爆発があったため、愛知県警は捜査していたようだ。
追加情報:
3月19日、逮捕された少年は、名東区にある公園でTATPを爆発させたようだ。
公園には、漏斗孔(ろうとこう)と呼ばれるくぼみが見つかったという。
漏斗孔は、音速を超える衝撃でできるといわれる。
少年は、「TATPなどを作り、威力を確かめたかった」と供述しているという。
逮捕容疑は、平成28年12月22日、当時居住していた名東区内の自宅で過酸化アセトンを製造、平成30年3月19日に名東区内の公園で所持するなどの疑いだという。
製造方法はネットでも入手可能
過酸化アセトンの製造自体は比較的簡単で、インターネットでも製法を紹介したサイトがあるという。
原料も、市販の薬品のようだ。
過去にも摘発
日本国内では、過去にも過酸化アセトンの所持や製造の容疑で、愛知県や岐阜県の男性が摘発されているようだ。
カンタはこう思う
ネットに掲載される情報には際限がなく、原子爆弾の製法さえも掲載されているという話を聞いたことがあるので、爆薬の製法が公開されていても何ら不思議ではないが…。
今回逮捕された少年に加え、過去にも過酸化アセトンの製造や所持での摘発例があるらしいが、いずれも愛知県と岐阜県という、お互いに近い場所での摘発だ。
逮捕された少年は、何か意図を持っていたのか、それとも興味本位で製造したのか分からない。
ただ、わずかな衝撃でも爆発する可能性のある爆薬ということで、近所にこんなものを作っている人が住んでいたらと思うとゾッとする話である。
-参考資料-
・『仏テロ使用の爆薬「魔王の母」製造、少年を逮捕』、YOMIURI ONLINE、2018年8月20日、https://www.yomiuri.co.jp/national/20180820-OYT1T50051.html?from=ytop_main3・『テロ使用爆薬「悪魔の母」製造疑い 19歳少年を逮捕 愛知県警』、産経ニュース、2018年8月20日、http://www.sankei.com/west/news/180820/wst1808200058-n1.html
・『公園にTATP爆発の痕跡=音速超える衝撃でくぼみ-逮捕の少年宅近く・愛知県警』、時事ドットコム、2018年8月21日、https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082100113&g=soc&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit