毎年、夏の海水浴シーズンになると、各地の砂浜に沢山の人が訪れ盛況となるが、その分、水難事故の件数も多くなる。
新潟県新発田市にある「藤塚浜海水浴場」も例外ではない。
どういう原因や理由で事故が起こるのか。身の危険を避け、再発を防止するためにも、過去の事例を検討してみたい。
2020年 16歳女子高校生の死亡事故の事例
2020年8月11日、家族と海水浴に来ていた16歳の女子高校生が海底に沈んでいるのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。
女子高校生は父親と弟の3人で藤塚浜に来ていたそうだが、事故が起こった時、沖合50メートルほどのところで一人で泳いでいたという。その時、女子高校生は浮き輪をつけていなかったそうだ。
発見されたのは、海岸から約10メートル離れた海底だったという。
事故当時、沖合50メートルのところを一人で泳いでいたということで、泳ぎに自信があったのだろうと思われる。
しかし、自然の海はプールと違い、予期しないようなトラブルが起こることもある。一人で遠泳する際には、できるだけ身を守るものを所持しておきたいところだ。
知らないうちに沖合へ流されてしまった場合、「離岸流」に流された可能性もある。離岸流の特徴について知っておくことは、水難事故から身を守るためにも大切なことだと思う。
・「離岸流(リップカレント)」とは何か その仕組み 溺れないための対処法
2017年 50代男性の死亡事故の事例
2017年8月28日、新潟県新発田市の藤塚浜に男性の遺体が打ち上げられているのを地元の消防団が発見した。
遺体は、前日の27日に藤塚浜海水浴場の沖合いで流され行方が分からなくなっていた51歳男性のものであることが分かった。
27日、この男性は、藤塚浜海水浴場に家族と一緒に遊びに来ていたそうだ。
午後4時前、男性は、沖合いでおぼれた13歳の長女を妻と一緒に救助に向かい、長女を助けた後、そばのブイにつかまっていた妻のところへ向かう途中に流され、そのまま行方不明になっていたという。
そして、翌日28日午前5時頃、同じ海水浴場に、岡部さんの遺体が浜辺に打ち上げられているのを地元の消防団員が見つけたという。
娘を助けた後父親が死亡してしまうという悲しい事故となってしまった。13歳の長女と妻が無事救助されたというのは、せめてもの救いだ。
ただ、この事故も、沖合で長女が溺れたことが原因となっている。2020年の事故と異なるのは、周囲に助けてくれる人がいた中での悲劇であるという点だ。
沖合で泳ぐ際には、くれぐれも注意したいところだ。
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・「離岸流(リップカレント)」とは何か その仕組み 溺れないための対処法
-参考資料-
・『女子高校生が海水浴中に溺れて亡くなる 新潟・新発田市』、BSN、2020年8月11日、https://www.ohbsn.com/news/detail/kennai20200811_13902870.php・『溺れた娘を助けた直後不明に…父の遺体発見』、日テレNEWS24、2017年8月28日、http://www.news24.jp/articles/2017/08/28/07370871.html