この本は、今となってはかなり古いもので、私が持っている版は1997年に発行されたものです。 私がまだ学生のころ、オーストラリア人の友人に勧められて買いました。 20年以上も前の本ですので、古いといえますが、内容的には全く色褪せることはないですね。現代でも十分通用します。 古典的な自己啓発本を全て凝縮したような内容で、特にNLPの流れを汲む考え方です。 邦訳も出ているそうですが、内容は原書の一部しか収録されていないそうです。 Unlimited Power: The New Science Of Personal Achievement (English Edition) … [もっと読む...] about 最高レベルの自己啓発本 『Unlimited Power』 (Anthony Robbins著)
書評
独学者の論理学の勉強におすすめ 『入門!論理学』(野矢茂樹・著)の書評
結構頭がこんがらがるような論理の問題を軽快な説明で解きほぐす、論理学の入門書。 どちらかというと、「論理学の知識を得られる」というよりも、「論理学の考え方」が身につくように構成されている。 分かりにくいことを分かりやすいように説明しているためか、若干説明が冗長な部分がある。先生を持たない独学者の身としては、丁寧な説明なのはありがたいけれど、読後は「分かったような感じ」になりやすいとも感じる。 本書で扱っているのは、決して難題ではないが、簡単な問題でもない。内容を理解するためには何回か読むことが必要だと思う。その際、どこが重要なのか、要点が絞りにくいのが難点。 ただ、上記のように、この本を読むことで「論理学の考え方」に対する理解が格段に高まると思う。特に、「否定」に関する考え方については、目から鱗が落ちた。筆者が「はじめに」で述べ … [もっと読む...] about 独学者の論理学の勉強におすすめ 『入門!論理学』(野矢茂樹・著)の書評
「病は気から」は本当か 科学的に検証 『「病は気から」を科学する』ジョー・マーチャント著
日本では、「病は気から」という表現がある。 病気のことばかりを心配していると本当に病気になる、といった意味で使われる。 もちろん、これは科学的な検証に基づいた言葉ではないが、結構その通りだと思う人も多いのではないだろうか(だからこそ、広く膾炙している)。 ジョー・マーチャント著『「病は気から」を科学する』は、こういった「精神が体に及ぼす影響」について考察した本である。 知識や情報の価値の変遷を俯瞰する良書 本書では、健康について、「心」と「体」を二元論で語るのではなく、両者が相互に影響しあうということを様々な病気や症状について検証する。 著者であるジョー・マーチャントが科学ジャーナリストであるため、著者自身の研究成果を紹介しているわけではなく、あくまで様々な医療分野の第一人者にインタビューするという形で構成さ … [もっと読む...] about 「病は気から」は本当か 科学的に検証 『「病は気から」を科学する』ジョー・マーチャント著
世知辛い現代社会でメンタルを保つ方法を伝授する本 『メンタルの教科書』佐藤優著の書評
佐藤優の本は過去に何冊も読んだ。 最近は、あまりにも著者の本の発行頻度が高く過ぎると感じるので、果たして本の質が保てているのか不安になることもある。 本書『メンタルの教科書』もそんな中発行された。なので、正直、内容が薄いのではないか、と危惧していた。だが、予想に反してなかなか面白い本だった。 知識偏重の内容ではなく、どちらかというと著者の考えが色濃く出ている内容である。まあ、佐藤優の本に触れたことがある人なら分かるだろう。 メンタルを保つために「外」と「中」を考える 当たり前の話だが、自分のメンタルを保つためには、自分自身の内面と、自分の周りの環境を考える必要がある。 その点については著者も言及していて、「自分自身の内面を強くすること」と「自分を取り巻く環境を変えること」をメンタルを強くするために必要な2つの … [もっと読む...] about 世知辛い現代社会でメンタルを保つ方法を伝授する本 『メンタルの教科書』佐藤優著の書評
知的好奇心をくすぐる宗教の歴史 『教養としての世界宗教史』(島田裕巳)の書評
宗教に関する本は数多く出版されているが、島田裕巳著『教養としての世界宗教史』はその中でも知的刺激に満ちた好著である。 「宗教史」と題されていることからも分かるように、宗教がどのように生まれ、広がっていったのかを著者の視点も交えながら説明している。 全ての出来事を逐一説明する、というようなスタイルではなく、いくつかの題目・トピックを立て、それらについて論じていくという形だ。 その意味で、宗教の内容について必ずしも網羅的というわけではない。各宗教の細かな教義について立ち入るというよりも、より「学術的」かつ中立的な立場から宗教を論じている。その点、私の嗜好にも合った。 無味乾燥な事実の羅列が続くような教科書的な宗教史ではなく、読み手の知的好奇心をくすぐるような記述が良い。宗教学者でありながら作家でもある著者の腕が発揮されているのだろう … [もっと読む...] about 知的好奇心をくすぐる宗教の歴史 『教養としての世界宗教史』(島田裕巳)の書評