「ハゲ」と「デブ」と言えば、男性がモテない要素として常にトップに挙げられます。
ただ、「デブ」であるということが、「ハゲ」に繋がる可能性が出てきました。
肥満に悩む人にとっては、まさに踏んだり蹴ったりだが、一体どういうことでしょうか。
高脂肪の食事ではげる?
東京医科歯科大学と東京大学などのグループが行った研究によると、どうも脂肪が多い食べ物が薄毛や脱毛の原因になるようなのです。
この研究は、科学雑誌「ネイチャー」電子版で発表されたようです。
研究では、マウスに脂肪が多く含まれた餌を与える、といったものでした。
1か月後、通常の餌を与えられたマウスに大きな変化は見受けられなかったのに対し、高脂肪のエサを与えられたマウスには毛が薄くなる症状が確認されたというのです。
餌に脂肪が多く含まれていただけで、こんな違いがでるのは不思議ですね。どういうメカニズムが働いているのでしょうか。
毛の再生のカギは「毛包幹細胞」
毛穴には「毛包幹細胞」と呼ばれる細胞が存在します。この毛包幹細胞によって、毛が再生されるわけです。
研究によると、どうも高脂肪分の餌を与えられたマウスでは、毛包幹細胞の中に中性脂肪がたまることで、細胞が表皮などに変化していることが分かったらしいのです。
プレスリリースによると、「毛包幹細胞において Shh 経路が抑制されると、毛包幹細胞が表皮または脂腺への分化によって失われ」とあります。
つまり、中性脂肪がたまると、毛包幹細胞が無くなってしまい、そのために毛包のサイズが小さくなって薄毛につながる、ということのようです。
今回はマウスによる研究ですが、ある程度人間にも当てはまる内容のようで、食事や生活習慣を見直すことが、薄毛や脱毛を防ぐために大事であることが分かりました。