「票」という漢字に「瓜(うり)」という漢字を組み合わせると「瓢」という漢字になる。
この「瓢」という漢字をご存じだろうか。
瓜(ウリ)に関係しているモノを表す漢字なのだが…。
今回は「瓢」という漢字をご紹介しよう。
「瓢」の音読みと訓読み
「瓢」は音読みで「ヒョウ」と読む。
「票」とちょうど同じ音読みなので分かりやすい。
また、「瓢」の訓読みは「ひさご」、「ふくべ」だ。
「瓢」の意味
「瓢」の意味は、訓読みそのままで「ひさご」とか「ふくべ」、「ひょうたん」である。
「ひさご」も「ふくべ」も、あまりなじみがない言葉だが、両方とも「ひょうたん」と同じようなものだと思えばいい。
特に、ヒョウタンの果実の中身を抜いて作る容器のことを言う。
「瓢」の部首
「瓢」の部首は、「票」であると思われがちだが、「瓜(うり)」の方である。
「瓜」を部首とする漢字は少なく、『漢検 漢字辞典 第二版』に載っているのはわずか4字(「瓜」、「瓠」、「瓢」、「瓣」)しかない。
ちなみに、「孤」と「弧」の部首は「瓜」ではない(それぞれ「子」と「弓」)。
それでは、「瓢」を使った言葉を見ていこう。
「瓢箪」とは 読み方と意味
「瓢箪」は「ヒョウタン」と読む。
そう、あの「ひょうたん」だ。
厳密には2つの意味があり、1つは「ウリ科の植物」そのものを指す。
もう1つの意味は、「ヒョウタンの果実の中身を取り除いて作る容器」のことである。
「瓢箪」は、ことわざなどでよく出てくるが、その場合は2番目の意味、つまり容器の意味で使われることが多い。
「ひょうたん」は現代の水筒のようなもので、昔は酒や水を入れる一般的な容器だった。
ジャッキーチェン主演の映画『酔拳』でも、ヒョウタンから酒を飲むシーンが印象的に使われている。
現在でも、「ひょうたん」型の容器が売っているようだ。
ヒップフラスコ ひょうたん水差し
なかなかオシャレである。
この容器に酒を入れれば、気分は『酔拳』のジャッキー・チェンだ。
「ドランクモンキー 酔拳」/「スネーキーモンキー 蛇拳」制作35周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイBOX(3枚組)(初回生産限定) [Blu-ray]「瓢箪から駒が出る」の意味
「瓢箪から駒が出る(ひょうたんからこまがでる)」は、「あり得ないことが現実に起こる」という意味のことわざだ。
この場合の「駒(こま)」は、将棋やすごろくなどのコマではなく、「馬」という意味である。
つまり、ヒョウタンから馬が出てくるようなあり得ない出来事、という意味なのだ。
「瓢虫」とは 読み方と意味
「瓢虫」は、「てんとうむし」と読む。
あの小さな虫のテントウムシのことだ。
通常は「テントウムシ」のようにカタカナか、「てんとう虫」のように書くことが多い。
漢字で書く場合でも「天道虫」と書かれることが多く、「瓢虫」と表記されるのを見ることはほとんどない。
なお、テントウムシは「紅娘」と書かれることもある。
漢字表記が多いころから、日本人にとって昔から馴染みのある虫であることがうかがえる。
「干瓢」「乾瓢」とは 読み方と意味
「干瓢」と「乾瓢」は、共に「カンピョウ」と読む。
双方とも同じ意味で、「ヒモのように薄くむいたユウガオの果肉を乾燥させた食品」のことだ。
一般的にはひらがなか、「カンピョウ」とカタカナで書くことが多い。
「かんぴょう巻き」などが有名。
日本では、栃木県が産地として有名だ。乾瓢の国内生産の90%は、栃木県によって占められるという。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年