しめすへん(カタカナのネ)に「過ぎる」や「過去」の「過」の右側を書いて、「禍」という漢字があります。
なお、「ころもへん」や「ネへん」ではありません。
「新型コロナ禍」という表記をニュースなどでよく見かけましたね。
この表記で使われる「禍」という漢字は一般的に使うことはあまりないと思いますので、読み方に悩む人もいるのではないでしょうか。
この「禍」は一体どう読むのでしょうか。また、その意味とは。
「禍」の読み方
「禍」は音読みで「カ」と読みます。
つまり、「コロナ禍」は「ころなか」と読みます。
また、訓読みとしては「わざわ(い)」や「まが」という風に読みます。
間違えやすいですが「うず」とは読みません。「うず」は「渦」ですね。
「禍」の意味
「禍」は、「わざわい」という意味を持つ漢字です。ネガティブな意味ですね。
つまり、「新型コロナ禍」の意味としては、「新型コロナというわざわい」といったところでしょう。
それでは、「禍」を使う言葉を見ていきましょう。
「禍根」の読み方と意味
「かこん」と読みます。
「わざわいが起こる原因」とか「わざわいのもと」といった意味です。
この言葉はよく使われますね。「将来に禍根を残す」といった形で使われます。
「禍福」の読み方と意味
「かふく」と読みます。
「わざわいとしあわせ」という意味です。
「禍福は糾える縄の如し」という成語で使われる言葉です。「糾える」は「あざなえる」と読みます。
この成語は、「わざわいと幸福とは縄をより合わせたように表裏一体である」という意味です。
「塞翁が馬」と似たような意味ですね。
「禍災」「禍難」の読み方と意味
それぞれ「かさい」、「かなん」と読みます。
両方とも「災難」とか「災害」といった意味になります。
「禍神」の読み方と意味
「まがかみ」と読みます。
「わざわいを起こす神」という意味です。
「邪神」と同じ意味ですね。
「禍々しい」の読み方と意味
「まがまがしい」と読みます。
「縁起が悪い」、「いまわしい」とか、「いまいましい」という意味です。
「禍々しい出来事」といった風に使われます。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年