さんずい(水)に女と書いて「汝」という漢字があります。
歴史小説などを読む方にはおなじみの漢字かもしれません。つまり、昔に使っていた漢字なんですね。
さて、「汝」とはどのように読むのでしょうか。その意味とは。
「汝」の読み方
「汝」は、音読みで「ジョ」、訓読みで「なんじ」と読みます。
音読みで使われることはほとんどありません。「なんじ」と訓読みで使われることの多い漢字です。
「汝」の意味
「汝」は、「おまえ」という意味です。文法的に言うならば、二人称の一つですね。
自分と同等か、それ以下の人に対して言います。現代でいえば、「君」とか「あなた」に近いでしょうか。
古語、つまり昔の言い方ですので、日常的に現代で使うことはほとんどありません。
なお、「汝」は「爾」と書くこともあります。
それでは、「汝」を使った言葉や言い回しなどを見ていきます。
「汝の隣人を愛せよ」、「汝、隣人を愛せよ」の意味
この言い回しは、キリスト教の聖書から来ているようです。
「あなたの隣人を愛しなさい」という意味ですが、聖書(マタイの福音書22:39)によると、実はこの表現には「自分を愛するように」という言葉がついています。つまり、「自分を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい」という意味が本当のところのようです。
なお、英語では「Love your neighbor as yourself」(Matthew 22:39, New International Version)となっているようです。
「汝の名」とは 読み方と意味
「汝の名」は「なんじのな」と読みます。
「汝の名」は、つまり「お前の名前」もしくは「あなたの名前」といった意味になります。ニュアンス的には「そなたの名」に近いでしょうか。
明野照葉によって書かれた小説『汝の名』(⇒https://amzn.to/3zpQKgS)のタイトルにもなっています。この小説は、テレビドラマ化もされました。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年