さんずいへんに夕(夕日・夕方の「夕」、もしくはカタカナの「タ」)をくっつけると「汐」という漢字になります。
単純な形の漢字ですが、なかなか見かけることも少ないので、ぱっと読める人は少ないかもしれません。
今回は「汐」について学びます。
「汐」の読み方 音読み・訓読み
「汐」は、音読みで「セキ」と読みます。
「潮汐(チョウセキ)」などで使います。
また、「汐」は訓読みで「しお」「うしお」と読みます。
「汐」の意味
「汐」には、「しお」や「うしお」という意味があります。
「しお」でも特に「夕方に満ち引きするしお」という意味があります。
また、「汐」には「物事を行うのにちょうどよいとき」という意味もあります。「汐時(汐どき)」という言葉もあります。
ただし、この意味においては、「汐」よりも「潮(しお)」を使い、「潮時(しおどき)」と書くことが一般的です。
一体、これら「汐」と「潮」はどのように使い分ければよいのでしょうか。
「汐」と「潮」の違いについては、後ほど説明します。
まず、「汐」を使った言葉を見ていきます。
「汐干狩り」とは 読み方と意味
「汐干狩り」は「しおひがり」と読みます。
海水が引いた浜辺で、貝などを取ることですね。
この言葉についても、「汐」よりも「潮」を使うことが多く、「潮干狩り」と一般的には書かれます。
「潮汐」とは 読み方と意味
「潮汐」は「チョウセキ」と読みます。
「潮汐」とは、約半日の周期でおこるしおの満ち引きのことです。
「潮汐」の現象が起こる原因としては、月や太陽の引力や地球の回転による遠心力などがあります。
また、「潮汐」を起こす力を「起潮力」といいます。
「汐」と「潮」の違いと使い分け
上述したように、「汐」よりも「潮」という字が一般的に使われます。
それでは、「汐」と「潮」はどう違うのでしょうか。また、使い分けはどのようにすればよいのでしょうか。
「汐」は、特に「夕方のしお」という意味で使われます。
これに対し、「潮」は特に「朝のしお」という意味で使われるのです。
漢字をよく見てください。
「汐」には「夕方の夕」が使われ、「潮」には「朝」という漢字が使われていますよね。
このように、「汐」と「潮」は、同じ読みを持ち、両方とも「しお」を意味する漢字ですが、厳密には「夕方のしお」と「朝のしお」という違いがあったのですね。
例えば、「潮騒」や「潮解」の意味が分かりますか。
これらの言葉についても解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年