言編(ごんべん)に争うの「争」に似た部分をくっつけると「諍」という漢字になる。
この「諍」という漢字をどのように使うかご存じだろうか。
今回は「諍」という漢字について紹介しよう。
「諍」の音読みと訓読み
「諍」の音読みは「ソウ」、「ショウ」である。
また、訓読みは「いさ(める)」、「いさか(い)」、「うった(える)」、「あらそ(う)」だ。
「諍」の意味
「諍」は、その訓読みが示すように、「いさめる」とか「あらそう」とか「うったえる」という意味である。
その成り立ちが「言う」と「争う」であることからも分かるように、「諍」は「言い争う」ことを表した漢字だ。
それでは、「諍」を使った言葉を見ていこう。
「諍い」の読み方と意味
「諍い」は「いさかい」と読む。
「言い争い」とか「論争」、「もめごと」という意味だ。
例えば、「諍いを起こす」とか「二人の間の諍い」という形で使われる。
「諍い女」は「いさかいめ」と読む。
フランス映画に『美しき諍い女』という作品がある。原題は La Belle Noiseuse だ。
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バルザックの短編小説『知られざる傑作』を元にした映画で、ある画家の創作活動を描いた4時間にも及ぶ長編作品である。
実際の画家が絵を描くシーンが収録されているのが印象的だ。
作品中の重要な役柄であるモデルのマリアンヌを演じたのは、エマニュエル・ベアール(Emmanuelle Béart)というフランス人女優。
後に『ミッション:インポッシブル』でトム・クルーズと共演し、映画でも重要な役柄を演じた女優だが、この『美しき諍い女』ではその見事な裸体を惜しげもなく披露している。
「諍める」とは 読み方と意味
「諍める」は「いさめる」と読む。
「間違いや過ちなどを指摘して改めさせる」といった意味だ。
「諫める」と書かれることが多い。
「諍論」とは 読み方と意味
「諍論」は「ジョウロン」と読む。
「諍論」は、「互いに意見を主張して、議論すること」を意味する。
「論争」もしくは「争論」と同じ意味で、これらの方がよく使われる。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年