のぎへん(禾)に歳と書くと、「穢」という漢字になります。
あまり一般的に使われる漢字ではありませんね。画数が多いのもその理由でしょうか。
さて、「穢」は何と読むのでしょう。その意味と使い方とは。
「穢」の読み方
「穢」は、音読みで「ワイ」、「エ」、「アイ」と読みます。
また、訓読みでは「けが(れる)」、「きたな(い)」、「あ(れる)」、「わる(い)」と読みます。
「穢」の意味
「穢」の意味は、上記の訓読みからも分かるように、「けがれ」とか「けがれる」、「けがらわしい」や「きたない」という意味があります。
「けがれる」と普通はひらがなで書きますが、漢字で書くと「穢れる」なんですね。
また、「穢」には「(雑草が茂って)あれる」とか「刈り取った雑草が散らばるさま」という意味もあります。他にも「わるい」「わるいもの」という意味もあります。
それでは、「穢」を使った言葉をみていきます。
「穢土」とは 読み方と意味
「穢土」は「エド」と読みます。
仏教用語で、「けがれた世界」という意味で、「この世」のことを指します。
「穢土」は、同じく仏教用語の「娑婆(しゃば)」と同じ意味ですが、現在一般的に使われている「娑婆」の用法とは少し異なります。
「穢土」の対義語として「浄土(ジョウド)」があります。
「穢土」は「厭離穢土(オンリエド、エンリエド)」で使われることもあります。けがれた現世(穢土)を嫌って離れること(厭離)を意味します。
徳川家康の馬印に「厭離穢土欣求浄土」が用いられていたそうですが、その「穢土」と、のちに家康が幕府を開いた「江戸」と読みが同じなのが面白いですね。
「穢身」とは 読み方と意味
「穢身」は「エシン」と読みます。
「けがれた身」を意味します。また、「煩悩に迷い、悟りを開けない凡人」という意味でもあります。
「穢史」とは 読み方と意味
「穢史」は「ワイシ」と読みます。
「けがれた歴史」や「事実が歪曲された歴史」という意味です。特に「魏書」のことを指します。
この「魏書」には、撰者である魏収(ぎしゅう)の私怨とも思われるような記述、つまり悪口が散見されることから、「穢史」と呼ばれるようになったようですね。
ちなみに、ここでいう「魏書」は北魏の正史の1つであり、「三国志」の中の「魏書」とは異なります。
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