胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)を受けてきた。
この検査、私の中では最もハードルが高い検査で、過去に何回か受けているものの、いまだに慣れない。というよりも、過去の経験があるからこそ、恐怖も増していっているのだ。
というのも、体験したことがある人なら分かるかもしれないが、胃カメラ検査はかなり苦しく、拷問にも等しい苦痛を患者に与えるものなのだ(個人的な感想)。
体験したことがない人に説明すると、胃の物を吐く時のことを思い出してほしい。吐いた後は少し気分が良くなると思うけれど、吐いている最中は苦しいと感じると思う。その「吐いている最中の苦しい感じ」が検査中(10分くらい?)ずっと続いているようなものだ(これも個人的な感想)。
でも、今回受けた胃カメラ検査では、この苦しみから完全に逃れることができた。
そのことは後に述べるとして、まず私の胃カメラ経験を語ろうと思う。
私の胃カメラ経験
私は、今回受けた胃カメラよりも前に3回受けたことがある。
1回目は、海外に暮らしているときだ。
国の名前は明かさないけれど、当時は発展途上から抜け出そうとしている状態の国である。平均的な日本人が企業の海外赴任でその国へ行った場合は、上流階級に仲間入りできるような国であった。
自然と、かかりつけの病院もその国でも最高クラスの病院(日本人が多く利用する)となり、そこで胃カメラ検査を受けることになったのだ。
その時は言葉の問題もあったのか、私の精神状態に問題があったのか、「胃カメラ検査を受ける」ということに同意したものの、鎮静剤を受けることについては説明を受けていなかった。その病院では「胃カメラを受ける」=「鎮静剤を打つ」というプラクティスだったのかもしれない。
寝てしまったので、次に気が付いたときには、ベッドで目が覚めたという状態だった。おぼろげながら、口の中に物を入れられて苦しかったという記憶が残っている。また、「カシュ、カシュ」という機械の音が聞こえていた。あの音は一体何だったんだろう?その病院では胃カメラをロボットで操作していたのだろうか。未だに謎である。
2回目は、日本に帰国してからだ。
とある病院で胃カメラ検査を受けた。1回すでに体験しており、少し苦しいイメージがあるものの、まあ大丈夫だろうと思っていたので、それほど深く考えずに受けてみた。
これが、かなりの苦しさだったのである。苦行どころか、拷問にかけられているような感じだ。看護師さんが背中をさすってくれたので、何とか耐えられたけれど、本当に苦しかった。ウェ、という感じが永遠に続くのかと思われた。
3回目も日本である。
しかし、この時は、最後まで胃カメラ検査を受けられなかった。
2回目に受けたときにとても苦しかったのを覚えていたし、さらに輪をかけて、嫌な出来事があったのである。
検査室の待合場で待っていたところ、たった今検査をし終えた男性が私に話しかけてきたのである。(もしくは、私が話しかけたかもしれない。ちょっと記憶があいまいである。)
その人がとても苦しそうな表情で、「すごく苦しかった。最悪。」みたいなことを懇切丁寧に教えてくれたものだから、ただでさえナーバスだった私の心理メーターは、緊張MAXの上限を振り切ってしまった。もし私から話しかけたのだとしたら、余計なことをしてしまったものである。
その男性は、私がまだ検査前だったことに気づき、「しまった…」という表情を浮かべて去っていったが、その表情も私の精神に圧力をかけた。
で、私の番である。胃カメラを喉に挿入した時に感じる、あの圧迫感。それを感じた時点で「もうムリ!」となってしまい、手を挙げて中止してもらった。何とも言えない敗北感と挫折感である。
鎮静剤を初めて「自分の意志」で選択
上述のような経緯があったものだから、もう私の中では「胃の内視鏡検査」は鬼門中の鬼門、最も忌避したい検査へと昇格していた。
それでも、やはり受けなければならない時がやってきた。
鼻から入れる胃カメラはそれほど苦しくない、ということを聞いていたので、医師に「鼻からの胃カメラはダメですか」と聞いてみた。
その医者によると、鼻からの胃カメラは小さい分、画像がそれほど鮮明ではないので、ちゃんと検査する場合は結局口からの胃カメラに頼らないといけない、といった話だった。
仕方がない。私は、久しぶりに胃カメラに挑戦することにした。
そこで、上に述べたように、1回目の胃カメラの時、寝ている間に終わっていたのを思い出した。そこで、そのことについて医者に尋ねたところ、鎮静剤を打って胃カメラ検査を受けることも可能だとのこと。同意書に鎮静剤が必要かどうかを尋ねる箇所があるので、「必要」に丸すれば良いと教えてくれた。
医師によると、寝てしまう人もいれば、少しまどろんだ感じで意識は残っている人もいるという。どうしても苦しければ、鎮静剤を打って胃カメラを飲むことを勧めてくれた。
私は決心した。今回は(も?)「鎮静剤を打とう」。
検査の前日
私の病院では、胃カメラ検査の前日は、午後9時までに夕食を済ませ、それ以降は何も食べてはならないとのこと。ただ、午後9時以降であっても、水分は、コップ1杯分(200ml程度)の水かお茶であれば摂っても良いという。ただ、検査の3時間前からは何も口にしてはならないということだった。
そこで、私は夕食を早めに済ませ、早めにベッドに入ることにした。
しかし、次の日の検査のことをどうしても考えてしまい、なかなか寝付けない。コップ一杯分の水をチビチビと少しずつ飲みながら、眠りが訪れるのを待つ。
結局寝たのは、午前になってからだった。
運命の検査日
ついにやってきた。こうなったら、どうにでもなれだ。世の中に胃カメラを受けた人は何人、何万人もいる。何回も受けている人もいっぱいいる。大したことない。
それでも、どう理詰め・理性的に考えても、やっぱり緊張はする。
病院の待合室で自分の順番を待っている間に、看護師が何か白っぽい液体の入った紙コップを持ってきた。胃の中をきれいにする液体だという。全部飲まなくていいから、飲んでくださいと言われた。
そして、「○○さ~ん。」と私の名前を呼ぶ声が。ついに私の番がやってきた。
検査室に入る。喉に麻酔をかけるため、口の中にスプレー上の液体を吹き付ける。吹き付けられた液体は、喉の奥にたまり、それを飲み込む。ノドが焼け付くような感じがした後、感覚がなくなっていく。この感覚がかなり精神的にこたえる。
そして、看護師に促されてベッドに横たわる。プラスチック上の輪っかのようなものを口にくわえさせられた。この輪っかを通して胃カメラを挿入するわけだ。
点滴の用意がされた。看護婦さんが「少しチクっとしますよ。」と声をかけて注射針を腕にさす。そんなことはこの際どうでもいいと思った。注射針なんて、なんの苦痛でもないのだ。
看護師さんが、「今は水を入れているだけですよ。後でここから鎮静剤を入れますからね。入れるときはちゃんと言いますから、リラックスしてください。」と優しい声をかけてくれる。
私は、麻酔による喉の違和感で緊張感がマックスになり気分が悪くなっていたのだが、色々と看護婦さんがやさしく声をかけてくれたので、とてもリラックスすることができた。ありがとう、看護婦さん。
そして、自分が「まな板の鯉」であることを認識すると不思議ととてもリラックスできるようだ。
「それでは鎮静剤を入れますね。」と看護婦さんの声が聞こえる。眠れるだろうか。どれだけ胃カメラの感覚がするのだろうか…。そんなことを考えていた……。
……。
…。
覚えているのは、このあたりまでである。気が付いたら、もう終わっていた。
1回目に胃カメラを飲んだときは、少し苦しい感覚があったのを覚えているが、今回は全くない。
看護婦さんから「終わりましたよ。」と声をかけられた。
起き上がって立ち上がるときに、少しフラッとしたけれど、気分は全然悪くない。
なんだ、こんなものか。大したことないな、胃カメラ。
私のような経験をしている人は珍しいと思うけれど、もし私のように胃カメラで苦しい思いをして苦手と感じている人は、是非鎮静剤を打って受けてほしい。私のように苦手意識が払しょくされると思う。
全ての「胃カメラ恐怖症」の人へ。
自宅でがん検査
上述のように、胃カメラを過度に恐れる必要はありません。
それでも、やはり病院で検査することに躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。
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