「トイレ」が盗まれたことが話題になっている。
もちろん、トイレはトイレでも、ただのトイレではない。「黄金の便器」、その名も「アメリカ」だ。
イタリアの芸術家が制作したアート作品で、18金を使っているという。
事件の詳細
2019年9月14日、黄金の便器を展示していたイギリスにあるブレナム宮殿が、便器が盗まれたことを明らかにした。
イギリスの報道によると、盗んだ犯人は、2台以上の車で押し入って作品を盗んだというのだ。
配管を切断して無理やり盗んだものだから、作品が置かれていた場所は水浸しになったという。
つまり、アート作品であっても、ちゃんと便器としての機能を果たせるようにトイレとして使用できるようにしてあった。しかも、誰でも使用できたようだ。
警察は、事件に関与したとみられる66歳の男を逮捕したようだが、作品の行方は不明。
黄金の便器「アメリカ」とは
今回盗まれた黄金の便器とは、イタリアの芸術家であるマウリツィオ・カテランが制作した作品で、「アメリカ」と名付けられた。
18金で作られており、貧富の格差を皮肉っているものだという。
この作品には面白い逸話があって、2018年に当時この作品が置かれていたニューヨークの美術館が、トランプ大統領からゴッホの作品を貸し出すように求められたとき、「黄金の便器なら貸せる」と返答したという。
要は美術館はトランプ大統領の要請を断ったわけだ。
格差の象徴ともいえるトランプ大統領に、美術館は、格差社会を皮肉った「黄金の便器」なら貸す、と返答したわけで、何とも切れ味鋭い、かつ痛快な切り返しである。
2019年9月12日から、盗難のあったイギリス南部オックスフォードシャー近郊のブレナム宮殿で展示されていたということで、展示開始からかなり早い段階で盗難になったということになる。
色々と話題を集めた作品だったので、狙っていた悪人も多いのだろう。また、18金で制作された作品ということで、もしかしたらアート作品としての価値ではなく、原料である金を狙った犯行の可能性もある。
世界にはもっと驚くべき事件が…!
↓
「世界の驚愕ニュース」へ
参考資料:
・『「黄金の便器」盗まれる 展示中の宮殿から イギリス』、NHKニュース、2019年9月15日、 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190915/k10012082911000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_007