「アンガーマネジメント」とは、文字通り解釈すると、「怒りを管理すること」という意味だ。
アンガーマネジメントという考えは、特にアメリカで流行し、日本にも持ち込まれた。
ただ、「怒りを抑える」という概念自体は、日本からも古くから根付いているように思う。また、「感情を抑える」ということは、日本ではしばしば美徳と捉えられてきた。
だが、日本のそういった美徳も、近頃はそれほど感じられなくなった。それどころか、適切に「怒り」を表現することができない人が多くなってきたのではないか、とも感じる。
社会における人間関係の希薄さや、技術の進歩、社会のグローバル化など、様々な要因が複雑に絡み合っているのだと思う。
安藤俊介著『怒りに負ける人 怒りを生かす人』は、現代の人間が抱きがちな「怒り」をただ抑えるのではなく、うまく活用するためのヒントを提供している。短く簡潔な文章なので、理解しやすい。
「怒り」というネガティブな感情をどのようにポジティブな方向へシフトさせればよいのか。自身の健康や成功のためにも、怒りをコントロールする術は現代人が必須とすべき教養だろう。
怒りに負ける人 怒りを生かす人
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