2019年の秋の褒章の受章者が発表されましたね。
中でも、最も一般国民に知名度があるのは、やはり「紫綬褒章」でしょうか。
というのも、「紫綬褒章」は、文化やスポーツなど、私たちがよく目にする分野の人たちが受章するものですから。
今回受章した人たちの中にも、私たちが知っている人や作品に携わる人が受章しました。
「こち亀」作者の秋本治さんも受章
人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を描いた漫画家の秋本治さんも紫綬褒章を受章しました。
「少年週刊ジャンプ」を購読していた人にはおなじみのマンガですね。
秋本さんは、ご存知東京生まれで66歳です。
秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由
今回受章したことについて、秋本さんは以下のようにコメントしています。
「ずっと長く書いてきた作品にこのような章が待っていて、本当に今後の力になります。両さんが喜ぶでしょうね。きっと部長から『お前は国から認められたんだぞ』って言われて初めて、大変な章をもらったと目が覚めるんだと思います」
「40年こつこつ歩んできたようですが、週刊連載なので短距離走のようなものでした。ゴールしたとたん、またスタート、その繰り返しで、走り抜けることに精いっぱいでしたが、振り返るとこんな先にまで来ていたんだと感じます」
長年の短距離走の積み重ねが、振り返ってみると「世界で最も発行巻数の多いマンガのシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されるほどの大作となったのですね。
累計発行部数は1億5000万部を超える、というのですから破格です。
岡田惠和さん 『ちゅらさん』の脚本家
脚本家の岡田惠和さんも受章しました。
岡田さんは東京都出身で60歳。
あまり脚本家の名前が一般的に知られることは少ないと思いますが、『ちゅらさん』の脚本家だと聞けば、馴染みも出てくるのではないでしょうか。
現在放送しているNHK土曜ドラマ『少年寅次郎』にも携わっています。
岡田さんは以下のようにコメントしています。
「脚本家という仕事も自分も派手なタイプでもないのに、そこを選んでいただけたのはうれしく思います」
「ちゅらさん」については、
「多くの人に愛していただけたので、自分にとってはこの世界で生きていく自信を持てた作品になりました」
と話しました。また、
「ベテランと言われるようになりましたが、常に新鮮な気持ちでいたいと思っています。朝ドラやこれまでの続編などに絞らず、いろんなことに挑戦していきたい」
とコメントしました。
余貴美子さん 実力派女優
俳優の余貴美子さんも受章しました。
現在63歳ですが、まだまだご活躍されていますね。
あまりにも多くの作品に登場し、それぞれ印象に残る演技をされています。
平成20年の『おくりびと』と翌年の『ディア・ドクター』で、日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を2年連続で受章しました。
上述の同じく受章した岡田さんが脚本を務めた『ちゅらさん』でも出演しました。
私の中で印象深いのは、『正義は勝つ』というドラマで、凄腕の女弁護士として演技されていたことですかね。これ以外でも、どの作品に登場しても、存在感のある俳優さんです。
余さんは以下のようにコメントしています。
「自分には縁がないものと思っておりましたので、ただただ驚くばかりです。私を辛抱強く応援してくれた皆様と家族と喜びを分かち合いたいと思います。これからもお褒めいただけるような演技ができますよう、ただただ一生懸命お稽古を積み努力してまいります」
秋の褒章とは
秋の褒章は、長年にわたって特定の分野に打ち込んできた人や功績のあった人に贈られます。
今年秋の褒章を受章するのは、以下の通りです。
▼人命救助活動で功績のあった人に贈られる「紅綬褒章」が6人、
NHKニュース
▼ボランティア活動で功績のあった人や団体に贈られる「緑綬褒章」が14人と25の団体、
▼長年にわたってその道一筋に打ち込んできた人に贈られる「黄綬褒章」が259人、
▼芸術、文化、スポーツ、学術研究の分野で功績のあった人に贈られる「紫綬褒章」が17人、
▼公共の仕事で顕著な功績があった人に贈られる「藍綬褒章」が458人
受章者は、来月12月17日に、皇居で天皇陛下からおことばを受けることになっていますね。
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