口偏(くちへん)に亜もしくは亞と書いて、「唖」・「啞」という漢字があります。
さて、この漢字 「唖」・「啞」 をご存知ですか。
「唖然」といった言葉に使われます。なお、以下、「唖・啞」を「唖」に統一して説明する場合があります。
「唖・啞」の読み方 音読みと訓読み
「唖・啞」の音読みは「ア」「アク」です。
また、「唖・啞」の訓読みは「ああ」「わら(う)」です。
「唖・啞」の意味
「唖・啞」には、「言葉の不自由な人」という意味があります。
この意味では、後述の「唖者」といった言葉がありますね。
また、「ああ、と驚いて出す声」という意味や、「笑い声」といった意味もあります。
「唖」と「啞」の違い
「啞」の方は「印刷標準字体」と言われるもので、「唖」の方は「簡易慣用字体」と呼ばれるものです。
「啞」は口へんに「亜」に似たような形、「唖」は口へんに「亜」を書きます。
この記事では、基本的に「唖」の方を使います。
「唖然」とは 読み方と意味
「唖然」とは「あぜん」と読みます。
「唖然」の意味は、「驚きあきれて言葉が出てこないさま」です。「あっけにとられる」と同じような意味です。
例えば、「唖然とする」といった風に使われます。
なお、「あくぜん」と読むこともできますが、その場合は「大声で笑うさま」を表すようですね。
「唖然失笑」とは
「唖然失笑(あぜんしっしょう)」とは、「あっけにとられて、思わず笑ってしまうさま」という意味の四字熟語です。
「唖者」とは 読み方と意味
「唖者」は「あしゃ」と読みます。
「言葉の不自由な人」や「言葉が話せない人」などを意味します。
「聾唖」とは 読み方と意味
「聾唖」は「ろうあ」と読みます。
「耳が聞こえず、言葉の不自由な人」という意味です。
「聾唖」の「聾」は難しい漢字ですね。以下の記事で詳しく説明しています。
⇒「聾(龍に耳)」という漢字は何?読み方・意味・使い方 「聾唖」「聾者」「聾する」など
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年