
田の下に比と書いて、「毘」という漢字があります。
歴史好きの私としては、上杉謙信の「毘」の旗印や「毘沙門天」などで使われている漢字という印象が強いです。
仏教、ひいては日本文化に縁の深い漢字ですので、是非学んでおきましょう。
「毘」の読み方 音読み・訓読み
「毘」の音読みは「ヒ・ビ」です。
「毘」の訓読みは「たす(ける)」です。
「毘」の意味と部首
「毘」には「たすける」という意味があります。
また、梵語の音訳で使われる文字です。
なお、部首は非常に珍しい「比(ならびひ・くらべる)」というものです。この部首をもつ漢字は、「毘」と「比」くらいしかありません。
「毘沙門天」とは 読み方と意味
「毘沙門天」は「びしゃもんてん」と読みます。
「毘沙門天」とは、仏教における神で、仏法や北方を守護し、福徳を授ける神として知られています。
甲冑を身にまとい、片手に宝塔などを持つ姿を持ちます。
四天王の一人で、日本においては七福神の一人でもあります。
「多聞天(たもんてん)」や「毘沙門」とも呼ばれます。
戦国時代に上杉謙信という有名な大名がいたのですが、この上杉謙信が信仰していたのが毘沙門天でした。旗印に毘沙門天を意味する「毘」を掲げていました。
楠木正成に至っては、幼名を「多聞丸」と称していたそうです。
このように、古来より武将から多くの信仰を集めた神様でした。
「毘盧遮那仏」とは 読み方と意味
「毘盧遮那仏」は「びるしゃなぶつ」と読みます。
「毘盧遮那仏」は、知徳の光で全宇宙・万物を照らし出す仏のことです。
華厳経(けごんきょう)という大乗仏教の経典の1つにおける本尊です。密教においては、大日如来と同じとされています。
なお、「毘盧遮那」とは、梵語をそのまま音写したもので、「光明遍照(こうみょうへんじょう)」のことを指し、「救いの光が万物を照らす」という意味です。
奈良の東大寺の大仏は、この「毘盧遮那仏」だということです。
「荼毘」とは 読み方と意味
「荼毘」は「だび」と読みます。
「荼毘」とは、仏教において「火葬」を意味します。
梵語における「焼身」を意味する言葉の音写です。
「荼毘」は、例えば「荼毘に付す」という風によく使われますね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年