目偏(めへん)に、カタカナの「ム」と「牛」と書いて、「眸」という漢字があります。
「眸」単独で用いられる場合や、「双眸」といった言葉で使われることもある漢字です。
今回は、漢字「眸」について学びましょう。
「眸」の読み方 音読み・訓読み
「眸」の音読みは「ボウ」「ム」です。
また、「眸」の訓読みは「ひとみ」です。
「眸」の意味
「眸」は、「目」とか「瞳(ひとみ)」という意味を持つ漢字です。
「ひとみ(瞳・眸)」とは、眼球の黒い部分、「瞳孔」のことですね。
「眸」は、単独で「ひとみ」の読みで用いられることがあります。
例えば、吉川英治の『三国志(一)』では、物語の冒頭で、劉備を以下のように描写しています。
「眉は秀で、唇は紅く、とりわけ聡明そうな眸や、豊かな頬をしていて、…」
吉川英治『三国志(一)』、p.11
「眸子」とは 読み方と意味
「眸子」は「ぼうし」と読みます。
「ひとみ」とか「黒目」、「瞳孔」という意味です。
「双眸」とは 読み方と意味
「双眸」は「そうぼう」と読みます。
「双眸」とは、「左右両方のひとみ」という意味で、平たく言えば「両目」や「両眼」という意味ですね。
例えば、「双眸が輝く」という風に使われます。
「明眸」とは 読み方と意味
「明眸」は「めいぼう」と読みます。
「明眸」の意味は、「澄んで美しいひとみ」で、後述する「明眸皓歯」といった表現でも使われます。
「明眸皓歯」とは 読み方と意味
「明眸皓歯」は「めいぼうこうし」と読みます。
「明眸皓歯」の意味は、「美しく澄んだひとみと、白い歯」といったものです。
美人を形容するために使われる四字熟語です。
似たような意味の四字熟語に、「蛾眉皓歯」や「朱唇皓歯」などがあります。
元々は、中国の有名な詩人である杜甫の詩「哀江頭(江頭に哀しむ、哀しきかな 江頭 )」から来た表現です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・吉川英治、『三国志(一)』、講談社、1989年4月11日