手偏(てへん)に番と書いて、「播」という漢字があります。
昔の地名「播磨」などに使われる漢字です。
今回は、漢字「播」について学びましょう。
「播」の読み方 音読み・訓読み
「播」の音読みは「ハ」「バン」です。
また、「播」の訓読みは「ま(く)」「し(く)」です。
「播」の意味
「播」は、「(種を)まく」という意味です。
「播く(まく)」と書くと、「種を土にまく」という意味のほか、「物事の原因を作る、原因となる」という意味で「自分が播いた種」という風に使われることもあります。
「播種」とは 読み方と意味
「播種」は「はしゅ」と読みます。
「播種」とは、「作物の種子をまくこと」という意味です。簡単に言えば、「種まき」のことですね。
また、作物の種まきの時期のことを「播種期」と呼んだりします。
他に、「播種」は医学分野で「癌細胞やウイルスなどが種をまいたように分布すること」という意味で使われることもあります。
「播磨」とは 読み方と意味
「播磨」の読み方は「はりま」です。
「播磨」とは、旧国名(昔の地名)の一つで、現在の兵庫県南西部のことを指していました。
「播州(ばんしゅう)」と呼ばれることもあります。この地域で使われている方言のことを「播州弁(ばんしゅうべん)」と呼ぶこともあります。
私は子供の頃、この播州弁が使われる地域で暮らしていたことがありますが、結構汚い言葉が多い印象を持ちました。まあ、子供の頃だったので、そういう言葉に触れる機会が多かったのでしょうね。
例えば、「ダボ」とか「ごうわく」などはよく覚えてますね。みんな使ってました。「ダボ」は「アホ」という意味で、「ごうわく」は「腹立つ」といった意味です。まあ、きれいな言葉ではありませんが、私としては不思議と懐かしく感じます。
「播磨」といえば、戦国時代の稀代の名軍師で、豊臣秀吉にもその才能を恐れられた「黒田官兵衛(黒田孝高)」が最初に仕官した場所です。その頃は、赤松家が播磨を治める大名でした。
他には、「忠臣蔵」の「浅野内匠頭」は、播州の赤穂藩の藩主でしたね。
「伝播」とは 読み方と意味
「伝播」は「でんぱ」と読みます。「でんぱん」と読むのは間違いですので気をつけましょう。
「伝播」の意味は、「(地域や空間などを)広く伝わっていくこと」です。
例えば、「文化が伝播する」という風に使います。
また、物理の分野においては、「伝播」は「波動が媒質の中を広がり伝わっていくこと」という意味で使われます。
例えば、「熱が伝播する」という風に使います。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年