貝偏(かいへん)に武器の「武」と書いて、「賦」という漢字があります。
例えば、「賦役」や「天賦」といった言葉で使われます。
漢字「賦」は常用漢字ですので、知らないという方は是非確認しておきましょう。
「賦」の読み方 音読み・訓読み
「賦」の音読みは「フ」です。
また、「賦」の訓読みは「みつぎ・わか(つ)」です。
「賦」の意味
「賦」には、「みつぎ」や「ねんぐ」という意味があります。
「賦(みつぎ)」は聞きなれない言葉かと思われますが、「財物などを役所に献上すること」という意味です。
また、「賦」には「あたえる」や「さずける」といった意味のほか、「分ける」という意味もあります。
「賦役」とは 読み方と意味
「賦役」は「ふえき」と読みます。
「賦役」とは、「国などに納めなければならない年貢や労働力」といったものです。
「賦課」とは 読み方と意味
「賦課」は「ふか」と読みます。
「賦課」とは、「税金や労働をそれぞれに割り当てて、負担させること」という意味です。
一般の庶民からすれば、あまり快い言葉ではありませんね。
例えば、「賦課・徴収」というと、国などが人々(個人)に税金を割り当て、徴収することを意味します。
これに対し、「申告・納税」の方は、個人が自ら税金を申告し、国などに納めることを意味します。
「賦与」とは 読み方と意味
「賦与」とは「ふよ」と読みます。
「賦与」の意味は、「才能などを分け与えること」です。
特に、先天的な才能について使う言葉です。
例えば、「神(天)から賦与された才能」という風に使います。
後述の「天賦」も参照してください。
「割賦」とは 読み方と意味
「割賦」は「かっぷ」と読みます。
「割賦」とは、「何回かに分けて代金を支払うこと」という意味です。
つまり、「分割払い」のことですね。
「天賦」とは 読み方と意味
「天賦」は「てんぷ」と読みます。
「天賦」とは、「生まれつき天から授かっている才能など」を意味します。
「天から賦与されたもの」を「天賦」と言うわけですね。
例えば、「天賦の才能」という風に使います。
「賦」の人名での使用
「賦」は、人名で使われることもあります。
蒲生賦秀とは 読み方と人物像
蒲生賦秀は、「がもう・やすひで」と読みます。
戦国時代の武将で、のちの名前である「蒲生氏郷(うじさと)」で知られます。
織田信長と豊臣秀吉に重宝され、また伊達政宗を抑えるために奥州の広大な領地を与えられました。
また、茶の湯にも精通していた教養人としても有名です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年