さんずい偏に需と書いて、「濡」という漢字があります。
「濡れ衣」といった言葉や「濡れ手で粟」といった表現で使われます。
今回は、漢字「濡」について学びましょう。
「濡」の読み方 音読み・訓読み
「濡」の音読みは「ジュ」です。
また、「濡」の訓読みは「ぬ(れる)」「うるお(う)」「とどこお(る)」です。
「濡」の意味
「濡」は、「ぬれる」とか「うるおう」といった意味の漢字です。
また、「滞る」という意味や、「こらえる」といった意味もあります。
「濡れ衣」とは 読み方と意味
「濡れ衣」は「ぬれぎぬ」と読みます。
「濡れ衣」には、「濡れた衣服」という文字通りの意味のほか、「身に覚えのない罪」といった意味もあります。
「冤罪」と同じような意味ですね。
「濡れ衣を着せられる」といった表現で使われます。
「濡れ事」とは 読み方と意味
「濡れ事」は「ぬれごと」と読みます。
「濡れ事」の意味は、「情事」や「(芝居やドラマなどにおける)情事のシーン」「濡れ場」といったものです。
「濡れそぼつ」とは 読み方と意味
「濡れそぼつ」は「ぬれそぼつ」と読みます。
「濡れそぼつ」とは、「雨などに濡れてびっしょりとなる」という意味です。
「そぼつ」はあまり聞きなれない言葉ですが、「濡れる」という意味で、昔の和歌などに出てきます。
「濡れ手で粟」とは 読み方と意味
「濡れ手で粟」は「ぬれてであわ」と読みます。
「濡れ手で粟」とは、「苦労しないで利益を得ること」という意味の表現です。
「濡れ手に粟」とも言います。
「濡れ鼠」とは 読み方と意味
「濡れ鼠」は「ぬれねずみ」と読みます。
「水に浸かった鼠(ねずみ)のように、服を着たまま全身がびしょびしょになること」という意味です。
例えば、「突然の雨に、濡れ鼠になった」という風に使います。
「濡れ羽色」とは 読み方と意味
「濡れ羽色」は「ぬればいろ」と読みます。
「水にぬれたカラスの羽のような、しっとりとツヤのある黒色」という意味です。
髪を形容する際に使われる言葉です。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年