さんずいに草冠(くさかんむり)と口が2つ、そして「誰」の右側を組み合わせると「灌」という漢字になります。
この漢字「灌」を知っていますか。
「灌漑」などの用語で使われています。
「灌」の読み方・発音 音読み・訓読み
「灌」の音読みは「カン」です。
また、訓読みは「そそ(ぐ)」です。
「灌」の意味
「灌」の意味は、「そそぐ」とか「水が流れ込む」です。
また、「群がり生える」という意味もあります。
「灌」の使用例・「灌」を使った人名
それでは、「灌」を使った言葉や名前などを見ていきましょう。
「灌漑」とは 意味と読み方
「灌漑」は「カンガイ」と読みます。
「灌漑」は、農地に人工的に水を引く、という意味ですね。
「灌漑」を使った言葉には、「灌漑事業」や「灌漑用水」といったものがあります。
「灌頂」とは 意味と読み方
「灌頂」は「カンジョウ」と読みます。
仏教の言葉です。
密教で行われる儀式のことです。
「灌木」とは 意味と読み方
「灌木」は「カンボク」と読みます。
「灌木」とは、人の背よりも低い樹木のことです。現在では、「低木」と呼ばれています。
「灌水」とは 読み方と意味
「灌水」は「かんすい」と読みます。
「灌水」とは、草木に水を供給することです。
「灌水ホース」とは
農業においては、灌水するために「灌水ホース」を使うことがあります。
ハウス栽培などで、地面に這わせる黒い管を見たことがありませんか。あれが「灌水ホース」です。
「太田道灌」とは 読み方と人物像
「太田道灌」は「おおたどうかん」と読みます。
室町時代後期の武将です。「灌」の漢字を見ると、カンタはこの太田道灌を思い出します。
太田道灌は、文武両道で、幼少より聡明だったとされます。ちなみに、「道灌」は出家後の名前で、出家する前は「資長(すけなが)」を名乗っていました。
現在でいう関東地方の大名、扇谷上杉家(おうぎがやつうえすぎけ)に仕えていました。主君をよく助けたので、家中で権力を持つようになり、そのために主君である上杉定正からも疎まれたといいます。
そして、最後は暗殺されるわけですが、暗殺される間際も、暗殺者と歌のやり取りをした風流かつ豪胆の武将です。
江戸城を築いたことでも有名ですね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年