手偏(てへん)に巻くと書いて、「捲」という漢字があります。
右の「巻」という部分は、厳密には「巻」ではないのですが、そのように書くこともあります(異字体)。
さて、この漢字「捲」ですが、なかなか見かける機会は少ないですが、例えば「捲土重来」といった表現で使われます。
「捲」の読み方 音読みと訓読み
「捲」の音読みは「ケン」です。
また、「捲」の訓読みは「ま(く)」「まく(る)」「めく(る)」です。
「捲る(まくる)」は、例えば「袖を捲る」の「まくる」です。巻いて上にあげることですね。
他には、「買い捲る」という風にも使います。この場合の「捲る」は、「盛んな勢いで行う」という意味ですね。
「捲る(めくる)」は、例えば「紙を捲る」という風に使います。「(薄いものを)ひっくり返す」とか「覆っているものをはがす」という意味ですね。
「捲土重来」とは 読み方と意味
「捲土重来」は「ケンドチョウライ」と読みます。まれに、「ケンドジュウライ」と読むこともあります。
「捲土重来」は、「一度負けたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返してくること」という意味の四字熟語です。
「捲土」は、「土煙を巻き起こす」という意味で、「重来」は「再び来る」という意味です。
「巻土重来」とも書きます。
類義語に「七転八起」、対義語に「一蹶不振(いっけつふしん)」があります。
「席捲」とは 読み方と意味
「席捲」は「セッケン」と読みます。
「席捲」の意味は、「激しい勢いで片端から領土を勢力圏とすること」という意味です。
「市場を席巻する」という風に使います。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年