さんずい偏に古いの「古」と書くと、「沽」という漢字になります。
この漢字「沽」を知っていますか。
この漢字単独で使うことは稀で、「沽券に関わる」という表現で使われることが多いですね。
「沽」の読み方と意味
「沽」の音読みは「コ」です。
また、「沽」の訓読みは「う(る)」「か(う)」です。
「沽」の意味としては、「売り買い」、つまり「売る」と「買う」というものです。
また、「沽」には、「値打ち」という意味もあります。
この意味においては、後述の「沽券」という言葉で使われます。
「沽券」とは 読み方と意味
「沽券」は、「コケン」と読みます。
「沽券」の意味は、「人の値打ち」とか「体面」といったものです。
例えば、「沽券が下がる」とは、人の品位とか評判が下がる、という意味になります。
つまり、「沽券」は「面目」と似たような意味であるといえるでしょう。
また、「沽券」には、「土地や家などの財産の売り渡し証文」という意味があります。元々は、こちらの意味で使われていたようです。
「沽券」は、以下で述べる「沽券に関わる」という表現で使われることが多いですね。
「沽券に関わる」の読み方と意味
「沽券に関わる」とは、「こけんにかかわる」と読みます。
「これまでの品位や評判、体面などが汚される・傷つけられる、もしくは下がるおそれがある」という意味です。
例えば、「ここで競争に負けては、わが社の沽券に関わる」という風に使います。
「沽酒」とは 読み方と意味
「沽酒」は「こしゅ」と読みます。
「沽酒」の意味は、「酒を売り買いすること」です。
鎌倉時代、幕府は「沽酒禁令(沽酒の禁)」というお触れを出しました。
平家が倒れ源氏が天下を取ったことによって、緊張感がなくなり、そこへ拍車をかけるように酒に溺れる武士も続出するという事態が起こったのです。
酒によって、武士の礼節などが失われてしまうことを幕府は恐れたんですね。
この沽酒禁令によって、莫大な量の酒が廃棄されましたが、それでも、というかやはり、酒の魔力に人々が抗うことはできず、酒蔵はその後も徐々に増えていったそうです。
アメリカでも1920年頃に「禁酒法」を制定しましたが、こちらもやはり失敗しましたね。
大勢の人々の欲望を少数派の理性によって統制するのはほぼ無理なのでしょう。
酒などに関しては、規制を強くし過ぎると、裏社会で違法な酒が出回るようになり、マフィアなどの反社会勢力が潤ってしまうという負の側面もあります。
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