人偏(にんべん)に漢数字の「九(9)」を組み合わせると、「仇」という漢字になります。
例えば、「恩を仇で返す」といった表現で使われる漢字です。
今回は、漢字「仇」について学びましょう。
「仇」の読み方 音読み・訓読み
「仇」の音読みは「キュウ」です。
また、「仇」の訓読みは「あだ」「かたき」「つれあい」です。
「仇」の意味
「仇」には、「あだ」とか「かたき」という意味があります。
また、意外にも「連れ合い」という意味もあります。
この意味で「仇」が使われる言葉として、「好仇(読み:こうきゅう)」があります。
「好仇」とは、「よい相手」とか「よい仲間」という意味の熟語で、「好逑」とも書かれます。
「恩を仇で返す」とは 意味と使い方
「恩を仇で返す」とは、「恩義を受けておきながら、恩を返すどころか、危害を加える」という意味です。
例えば、「恩を仇で返すとは、恥知らずな奴だ」という風に使います。
この「恩を仇で返す」の反対の意味の表現に、後述する「仇を恩にして報ずる」があります。
「仇を恩にして報ずる」とは 意味と使い方
「仇を恩にして報ずる」とは、「恨み事のある相手に対して、情けをかける」という意味です。
例えば、「仇を恩にして報ずることにより、徳を高める」という風に使います。
「仇を恩にして報ずる」と同じような意味の表現に、「恨みに報ゆるに徳を以てす」があります。
また、「仇を恩にして報ずる」の反対の意味に表現に、上述の「恩を仇で返す」があります。
「仇討ち」とは 読み方と意味
「仇討ち」は、「あだうち」もしくは「かたきうち」と読みます。
「仇討ち」とは、「主君や親・肉親などを殺害した者を殺して恨みを晴らすこと」とか「負けた相手に仕返しをすること」という意味です。
「仇討ち」の物語として、日本で特に有名なのは「忠臣蔵」ですね。
「仇敵」とは 読み方と意味
「仇敵」は「きゅうてき」と読みます。
「仇敵」の意味は、「憎いかたき」とか「恨みのある相手」です。
同義語に「仇讐(きゅうしゅう)」があります。
「復仇」とは 読み方と意味
「復仇」は「ふっきゅう」と読みます。
「復仇」の意味は、「かたきを討つこと」です。
この意味においては、「復讐」と同義語です。
また、「復仇」には、国際法上において、「不法行為などにより権利を侵害された国が、加害国に対して行う強制行為」という意味もあります。
国際法上においては、「復仇」が行われた場合、権利を侵害された国自体による自力救済という側面から、その違法性については阻却されます。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年