「公」の下に「羽」と書いて「翁」という漢字があります。
今ではあまり使う人はいないと思いますが、昔話や能楽などの日本の伝統芸能で見かけることがある漢字です。
今回は、漢字「翁」について学びましょう。
「翁」の読み方 音読み・訓読み
「翁」の音読みは「オウ」です。
また、「翁」の訓読みは、常用外で「おきな」です。
「翁」の意味
「翁」には、「おきな」という意味があります。
「翁(おきな)」は、今ではあまり使われませんが、昔は「老人の敬称」として使われていました。
例えば、昔話『竹取物語』の冒頭は、「今は昔、竹取の翁といふものありけり」という風に始まります。
また、能楽の演目の一つに「翁」と呼ばれるものもあります。
その演目で使用される老人の面のことも「翁」と呼びます。
「翁草」とは 読み方と意味
「翁草」は「おきなぐさ」と読みます。
「翁草」とは、キンポウゲ科の多年草です。「オキナグサ」と片仮名で書かれることもあります。
低山の草地に生えています。
赤紫色の花をつけたあと、白い花柱がのびるのですが、その白い花柱を翁、つまり老人の白髪に見立てたことから、「翁草」という名前になったということです。
「翁草」の根を乾燥させてつくられる漢方薬に「白頭翁」があります。ただし、「翁草」自体は有毒の植物ですから、注意が必要です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年