手偏(てへん)に察と書いて、「擦」という漢字があります。
「擦る」や「擦過傷」といった言葉で使われますね。
さて、「擦る」と「擦れる」、どう読むか分かりますか。
今回は漢字「擦」について学びます。
「擦」の読み方 音読みと訓読み
まず、「擦」の読み方を確認しておきましょう。
「擦」の音読みは「サツ」です。
また、「擦」の訓読みは「す(る)」「す(れる)」、また常用外ですが「こす(る)」「かす(れる)」「さす(る)」「なす(る)」です。
「擦る」とは 読み方と意味
「擦る」には、いくつか読み方があります。そして、読み方によって、意味も異なります。
「擦る」を「こする」と読む場合
「擦る(こする)」の意味は、「ある物を他の物に押し付けて動かす」とか「他の物で磨いて汚れなどを落とす」です。
例えば、「目をこする」とよく言いますが、これを漢字で書くと「目を擦る」となります。
「擦る」を「する」と読む場合
「擦る(する)」は、「物と物を触れ合わせる」という意味です。「擦る(こする)」と似たような意味です。
例えば、書道などで「墨を擦る」とか、「車を擦ってしまった」という風に使います。
「擦る」を「なする」と読む場合
「擦る」は「なする」と読むこともできます。
「擦る(なする)」は、「こすりつける」という意味のほか、「人に押し付ける」とか「他人に(責任などを)転嫁する」という意味です。
例えば、「罪を他人に擦り付ける」という風に使いますね。
「擦れる」とは 読み方と意味
「擦れる」は「かすれる」と読みます。
例えば、「文字が擦れる」とか、「声が擦れる」という場合の「かすれる」です。
なかなか漢字で書くことはないのではないでしょうか。
「擦過傷」とは 読み方と意味
「擦過傷」は「サッカショウ」と読みます。
擦り傷(すりきず)のことですね。
「摺り合わせる」とは 読み方と意味
「摺り合わせる」とは「すりあわせる」と読みます。
「計画などを関係者たちを調整して練り上げる」という意味です。
また、「機械の部品などの表面を他の部分との接触状態を検査しながら仕上げる」という意味でも使われます。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年