貝偏(かいへん)に戈(伐の右側)を2つ組み合わせると、「賤」という漢字になります。
例えば、「貴賤」といった言葉で使われる漢字です。
今回は、漢字「賤」について学びましょう。
「賤」の読み方 音読み・訓読み
「賤」の音読みは「セン」「ゼン」です。
また、「賤」の訓読みは「いや(しい)」「あや(しい)」「いや(しめる)」「やす(い)」「しず」です。
「賤」の意味
「賤」には「いやしい」という意味があります。
「賤しい(いやしい)」については、後述します。
また、「賤」には「いやしむ」や「さげすむ」という意味があります。
さらに、「賤」には「(値段が)やすい」という意味もあります。
「賤しい」とは 読み方と意味
「賤しい」は「いやしい」と読みます。
「賤しい」の意味は、「意地汚い」とか「下品である」、また「みすぼらしい」とか「身分が低い」というものです。
「賤しい」は「あやしい」と読む場合もあるようです。
「賤民」とは 読み方と意味
「賤民」は「せんみん」と呼びます。
「賤民」とは「昔の身分制度において、社会の最下層に置かれた人々」を指します。
こういった人々は、差別されたり、蔑視されたりしました。
古来から「賤民」という身分は様々な形で存在していましたが、明治時代になってこういった身分は制度上は廃止されました。
しかし、社会的な差別は制度が廃止された後も続き、部落問題などに繋がることになりました。
「貴賤」とは 読み方と意味
「貴賤」は「きせん」と読みます。
「貴賤」の意味は、「尊いことと賤しいこと」です。平たく言えば、「身分が高いことと低いこと」という意味ですね。
例えば、「貴賤を問わない」という風に使います。この場合、「身分を問わない」と同じような意味になります。
「下賤」とは 読み方と意味
「下賤」は「げせん」と読みます。
「下賤」とは、「生まれつき身分が低いこと」という意味です。
例えば、「下賤の身」という風に使います。
「卑賤」とは 読み方と意味
「卑賤」は「ひせん」と読みます。
「卑賤」の意味は、「社会的な身分や地位が低いさま」です。
「貧賤」とは 読み方と意味
「貧賤」は「ひんせん」と読みます。
「貧賤」とは、「貧しくて身分も低いこと」という意味です。
「貧賤」の対義語に「富貴(ふうき)」があります。d
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年