
木偏(きへん)に契約の「契」と書いて、「楔」という漢字があります。
「楔形」や「楔形文字」といった言葉で使われます。特に世界史でよく使われる言葉ではないでしょうか。
今回は、漢字「楔」について学びましょう。
「楔」の読み方 音読み・訓読み
「楔」の音読みは「セツ」「ケツ」です。
また、「楔」の訓読みは「くさび」「ほうだて」です。
「楔(くさび)」とは何?
「楔(くさび)」はよく聞く言葉だと思いますが、何となく理解しているだけで済ましている人も多いのではないでしょうか。
私も、子供のころに「くさび形文字」といった言葉を目にしたことがありましたが、当時は単なる暗記項目程度でしか覚えていませんでした…。
さて、「楔(くさび)」ですが、簡単に言えば「V字形」、もしくは「二等辺三角形に似た形」をした道具のことです。
例えば、以下のような道具も「楔」です。
上記の道具は、伐採用に使われるもので、木にチェーンソーなどで切り込みを入れた後、その反対側にこの楔を打ち込むことで、切り込みを入れた側に木を倒すために使われます。
伐採用の楔は物を割る用途に使いますが、2つの物を結合するために楔を使うこともあります。結合の用途の場合、隙間に楔を打ち込むことにより、一方の物を他方の物に圧接させることになります。
「楔形文字」とは 読み方と意味
「楔形文字」は「くさびがたもじ」と読みます。
「楔形文字」とは、「楔の形をした文字」のことです。
古代メソポタミアなどで使われていました。粘土板などに刻まれました。
楔形文字は、英語で cuneiform と呼び、これはラテン語で「楔」を意味する cuneus と「文字」を意味する forma から来ているそうです。
なお、「楔形」は「せっけい」や「けっけい」と読むこともあります。
「楔状」とは 読み方と意味
「楔状」は「けつじょう」と読みます。
「楔状」とは、「楔の形」という意味で、「楔形」とほぼ同じ意味です。
足の踵付近から中央にかけて「楔状骨(けつじょうこつ)」と呼ばれる骨があります。
なお、漢字「踵」をよく知らない方は、ぜひ下記記事をご覧ください。知ってると話のタネにできますよ。
⇒踵(足偏に重、足重)という漢字は何?読み方・意味 「踵骨」「踵を返す」「踵を接する」「踵で頭痛を病む」など
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年