ウ冠(うかんむり)に有と書いて、「宥」という漢字があります。
さて、この漢字「宥」が何という読み方でどんな意味を持つか知っていますか。
漢字「宥」は、例えば「宥める」「宥恕」といった言葉で使われます。
特に「宥める」は日常会話でもよく使われる言葉です。この記事で詳しく解説します。
「宥」の読み方 音読み・訓読み
「宥」の音読みは「ユウ」です。
また、「宥」の訓読みは「ゆる(す)」「なだ(める)」です。
「宥」の意味
「宥」の意味は、「許す」とか「大目に見る」です。
また、「なだめる」といった意味もあります。
「宥める」の読み方と意味
「宥める」は「なだめる」と読みます。
「宥める」の意味は、「人の怒りや悲しみを和らげ、落ち着かせる」です。
例えば、「泣いている赤ちゃんを宥める」とか「怒っている親を宥める」といった風に使います。
「宥恕」の読み方と意味
「宥恕」は「ユウジョ」と読みます。
「宥恕」の意味は、「寛大な心で許すこと」です。
主に、許してほしい側が使う言葉で、例えば「御宥恕を賜りたい」といった風に使います。
後述の「宥免」も同じような意味です。
「宥免」の読み方と意味
「宥免」は「ユウメン」と読みます。
「宥免」は「心を広くして罪を許すこと」です。
上に述べた「宥恕」と同じ意味で使われます。
「宥和」の読み方と意味
「宥和」は「ユウワ」と読みます。
「宥和」とは、「相手を大目にみて仲良くすること」とか「妥協的な態度を取ること」という意味です。
「宥和政策」という風に使います。
「宥和政策」として有名なのが、第二次世界大戦の前に、イギリスやフランスがドイツのナチスに対して取った政策です。
この宥和政策のピークとされるのが、1938年にミュンヘンで開かれた「ミュンヘン会談」です。
この「ミュンヘン会談」において、イギリスの首相であったN.チェンバレンなどは、ドイツに対してチェコスロバキアのズデーテン地方をドイツに割譲することを認め、ドイツに妥協してしまいました。
この宥和政策が裏目に出て、ナチス・ドイツのさらなる増長・侵略を招き、第二次世界大戦へと発展していくことになりました。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年