
2019年10月31日、河井克行法務大臣が辞任しました。
先週に菅原一秀経済産業大臣が辞任してから早くも2人目の大臣辞任。
安倍内閣への影響はかなり大きいようです。
なぜ河井法相は辞任した?辞任理由
河井法相が辞任した理由は、31日に発売された「週刊文春」で報じられた内容によるもののようです。
その内容は以下の通り。
・先の参議院選挙で当選した妻である河井案里参議院議員の事務所がウグイス嬢に法律の規定を上回る報酬を支払っていた
・自身の選挙区の有権者らに、じゃがいもやトウモロコシなどの贈答品を配っていた疑いがある
これらが事実であれば、公職選挙法違反に該当します。
法務大臣が法律違反を犯していたとあっては、やめざるを得ないでしょうね。
なお、河井法相自身は、辞任理由について以下のように話しています。
「報道の件は、私も妻も全くあずかり知らないところだが、今後、しっかりと調査して、説明責任を果たしていきたい。確認・調査を行うあいだ、国民の法務行政への信頼は停止してしまい、1分1秒たりとも法務行政への信頼が損なわれてはいけないと考え、けさ決断した」
NHKニュース
うーん、まだ記事が事実だと認めたわけではない、という態度ですね。
法務大臣が法令違反の疑いをかけられているわけですから、説明責任は果たすべきかと思います。
後任は森まさこ・元少子化担当大臣
河井大臣の後釜は森まさこ・元少子化担当大臣です。
もうすでに皇居での認証式が行われました。
かなりのスピード感ですね。
早く辞任と就任を済ませて、政権へのダメージをできるだけ少なく抑えたい、という意図がありそうです。
1週間で2人の大臣が辞任
今回の改造内閣では、先週の10月25日にも、菅原一秀・前経済産業大臣が辞任しました。
なんと、この1週間で2人も大臣が辞任したことになります。
首相の任命責任という意味では、政権にかなりの痛手となりそうですね。
「週刊文春」の記事の詳しい内容
それでは、「週刊文春」が報じた内容とは、どんなものだったのでしょうか。
どうやら、河井法相の妻である河井案里参議院議員は、今年2019年7月に参議院選挙で初当選しましたが、その選挙運動に携わったウグイス嬢13人に、事務所が多額の報酬を支払っていたそうなのです。
その報酬の額は、日当3万円。
公職選挙法で定められた報酬の上限額が1日あたり1万5000円だということですから、なんと上限の2倍もの報酬を支払っていたことになります。
これは買収にあたるということです。
なお、河井安里氏の選挙運動には、河井大臣がかなり積極的に関与していたようです。だって、ウグイス嬢がしゃべる内容を河井大臣が細かく指示していたというのですから。
また、河井大臣の秘書は、選挙区内の有権者にジャガイモを配っていたそうです。
過去にもあった「ウグイス嬢」の報酬をめぐる公職選挙法違反
過去にも、今回と同様の公職選挙法違反が起きたことがあるようです。
例えば、平成25年の参議院選挙では、当時の生活の党から立候補した広野允士元参議院議員の元秘書らがウグイス嬢に上限の2倍である日当3万円を支払っていたそうです。
また、平成24年の州銀選挙では、自民党の池田佳隆議員の運動員が、ウグイス嬢5人に日当3万円の報酬を支払う約束をしたために有罪判決を受けています。
奇しくも今回の事件と同額ですね。何か、裏で慣例みたいなものもあるのでしょうか。
広野元議員のケースでは、元秘書の有罪が確定し、広野元議員には連座制が適用されました。
その結果、広野元議員は、参議院選挙の比例代表での立候補が5年間、禁止されたということです。
ということは、今回の河井元法相やその妻の河井案里参議院議員についても、仮に有罪ということになれば、連座制が適用される可能性もあるということになりますね。
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