ニルヴァーナ(Nirvana)のボーカル、カート・コバーン(Kurt Cobain)が使っていたギターが、オークションに出され、驚きの価格で落札されました。
果たして、その落札額は…。また、ギターはどれほど特別なものだったのでしょうか。
落札額は6億4000万円(601万ドル)
カート・コバーンのギターが2020年6月20日に開かれたオークションで落札された額は、601万ドルということで、これは日本円で何と約6億4000万円だということです。
一本のギターに6億以上の値が付くのは衝撃です。オークション開催者によると、ギターとしては史上最高額だということですね。
これほどの高額な落札額がついたギターというのは、どういうギターなのでしょうか。
落札されたギターは「D-18E」 「MTVアンプラグド」で使用
ギターは、マーティン社の「D-18E」です。
このギターは、カート・コバーンが1994年に自殺する5か月前に「MTVアンプラグド(Unplugged in New York)」で使用していたものです。
私自身、ニルヴァーナのファンで、この「MTVアンプラグド」のDVDも持っています。あのライブで使用されていたギターが世間の注目を浴びているというのは、なかなか感慨深いものです。
MTV アンプラグド・イン・ニューヨーク
このアルバムは本当に名盤で、ニルヴァーナのファンなら何かしらの映像を一度は見たことがあると思います。
収録されている曲はいずれも名曲ですが、中でもデヴィッド・ボウイの同名の曲をカバーした「The Man Who Sold The World(世界を売った男)」は秀逸です。でも、他の曲も甲乙つけがたい…。
ちなみに、チャゲ&飛鳥が「MTVアンプラグド」に出演した際のDVDも持っています。
MTV UNPLUGGED LIVE [DVD]
このライブ映像も良いのですが、私はトークがあまり好きになれませんでした…。
6億を超える落札額は妥当か?実は安い?
今回、たった1本のギターが6億を超える額で落札された、ということで大きなニュースになりました。
ニルヴァーナが世界的に人気のあるバンドであるということ、そしてそのボーカルのカート・コバーンがカリスマ的な存在で人々の心の中に生き続けていること、そしてそのカート・コバーンが伝説のライブで使っていたギターがオークションにかけられた、ということで驚きの落札額になったのでしょう。
ただ、ギターがどれだけ特別なものか、ということを知れば、今回の落札額もそれほど高額じゃない、と思えてくるのが不思議です。いえ、もちろん私に買えるような代物ではありませんが…。
でも、あの特別なライブで使われた世界でたった1本のギターであるということを考えれば、決して高い額でもないです。それこそ、掃いて捨てるほどお金を持っている人からすれば、ニュースバリューという観点からしても、決して高い買い物ではないでしょう。
落札者は一体、誰なのでしょう?
落札者はオーディオ機器メーカーの創設者
今回、くだんのギターを落札したのは、オーストラリアのオーディオ機器会社「ロードマイクロフォンズ(RODE Microphones)」の創業者、ピーター・フリードマン(Peter Freedman)さんだということです。
フリードマン氏は、ギターを世界各地で展示してまわるそうです。そして、そこで得た収益を新型コロナウイルスによって経済的に苦しいアーティストたちの支援に使う予定だそうです。
金持ちの中には、名画などを買い漁って自分だけが楽しむという人も残念ながらいるそうです。
しかし、今回の落札者は自分だけが楽しむのではなく、みんなが鑑賞できるようにし、しかもそこで得た収益を困っているアーティストの支援に使うというのですから、立派な方ですね。
参考資料:
・『カート・コバーンさんのギター 6億円余で落札 MTV演奏で使用』、NHKニュース、2020年6月22日、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200622/k10012479171000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005
・『動画:カート・コバーンのギター、6.4億円で落札』、AFP、2020年6月21日、https://www.afpbb.com/articles/-/3289519?cx_part=search