「あつい」と読む漢字はいくつかあるが、最も使用頻度が高いものは「暑い」と「熱い」だろう。
これらに次いで、「厚い」や「篤い」という漢字もある。
さて、これらは全て「あつい」と読むが、どのように使い分けたらよいのだろうか。
これらの用語については、それらの意味に加え、反対語も一緒に覚えれば、違いがはっきり分かるようになるだろう。
「暑い」の意味と反対語
「暑い」は、基本的に「気温が高い」という意味である。
「暑い夏」とか、「暑い部屋」とか、「暑苦しい」という風に使う。
暑いの「暑」は、部首が「日」であることから、本来は「日差しが強い」という意味があったようだ。
そこから、「夏の暑い日」という気温だけにとどまらず、「暑い部屋」という風に室温などについても使われるようになった。
なお、「暑い」の反対語は「寒い」である。
「熱い」の意味と反対語
「熱い」は、基本的に「物や人体など物質が熱い」という意味である。
熱いの「熱」は、部首が「れっか、れんが(下に四つの点)」である。これは、「火」という意味がある。
そのため、火の温度が高いように、物質の温度が高いという意味で使われる。
「熱い体」や「熱い鍋」などは、体や物などの物質の温度が高いということである。
なお、「熱い」の反対語は「冷たい」である。
「暑い」の意味と反対語
「厚い」は、基本的に「物に厚みがある」という意味だ。
「厚い本」とか「厚い壁」という風に使われる。
また、「厚い」は「人情が深い」という意味でも使われる。
「手厚いもてなし」などは、その例だ。
他にも、「濃厚」などのように、「中が詰まっている」という意味合いでも使われることがある。
なお、「厚い」の反対語は「薄い」である。
「篤い」の意味
「篤い」は、基本的に「真心があって人情が深い」とか「ひたむきな」という意味である。
また、「病気が重い」という意味でも使われる。
「渥い」、「惇い」、「淳い」も「あつい」と読む
なお、特殊な例だが、「渥い」、「惇い」、「淳い」も「あつい」と読む。
「渥い」は「手厚いさま」という意味である。
「惇い」は「人柄が穏やかである」という意味である。
また、「淳い」は「人情が深く、まじめである」という意味だ。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年