言偏(ごんべん)に莫(模の右側)で「謨」という漢字があります。なお、「莫」については⇒「莫」という漢字の読み方・意味を参照してください。
この「謨」という字、「護謨」という言葉にも使われていますが、なかなか読める人は少ないのではないでしょうか。
「模試」に使われる「模」に似ていますが、異なる漢字です。
今回は、「謨」という漢字について解説します。
「謨」の音読み・訓読み
「謨」の音読みは「ボ」や「モ」です。
また、「謨」の訓読みは「はか(る)・はかりごと」です。
「謨」の意味
「新漢語林」は、「謨」の字義として以下を挙げています。
「①はかる。計画する。②はかりごと。くわだて。大きなはかりごと。「宏謨」③いつわる(偽)。④ない(無)。」
「模」に形は似ていますが、「模」の主な意味が「まねる」というものなので、「謨」と「模」とは意味としてはかなり異なります。
「謨」は、あまり見かける漢字ではないと思いますが、私たちの身の回りにいっぱい存在する「ある物」の名前を漢字で書く際に使われます。
その「ある物」の名前は「護謨」と書きますが、この「ある物」が何なのかお分かりですか。
「護謨」の読み方と意味
「護謨」は「ゴム」と読みます。
「ゴム」は、普段カタカナで書かれますので、なかなか思い至らないのではないでしょうか。
「謨」を使った言葉には、他に「謨訓」もあります。
「謨訓」の読み方と意味
「謨訓」は、「ぼくん」と読みます。
手元の辞書(漢字源)によると、「謨訓」とは、「国の大きなはかりごとと、後世の政治の手本となる教え。」とあります。
もともとは、書経から来た言葉のようですね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年