「林」の下に「火」と書いて「焚」という漢字があります。
さて、この「焚」の読み方や意味などをご存知ですか。
今回は、この「焚」についてご説明します。
「焚」の読み方 音読みと訓読み
「焚」の音読みは「フン」です。
また、訓読みは「や(く)」、「た(く)」です。
「焚」の意味
「焚」は、「やく」とか「たく」、「もやす」や「もえる」という意味があります。
「火」という漢字がついていることから、何となくイメージしやすいですね。
それでは、「焚」を使った言葉を見ていきましょう。
「焚き火(焚火)」とは 読み方と意味
「焚き火」もしくは「焚火」は「たきび」と読みます。
落ち葉や木の枝などを集めて燃やすことですね。
昭和の時代では、焚火をして焼き芋を作る、なんていうことがよく行われていたと記憶しています。「たきびだ、たきびだ、落ち葉たき~♪」なんていう歌もありました。
現在は、色々と規制が多くてあまりできないかもしれませんね。かわりに、バーベキューが流行っているようですが。
今の若い子は、「たきび」と聞いても何のことか分からないかもしれません。
「焚書坑儒」とは 読み方と意味
「焚書坑儒」は「フンショコウジュ」と読みます。
文字通り読めば、「本を燃やし、儒者を埋める」という意味になります。つまり、自由な言論や思想などを禁止する、という意味です。
この四字熟語は、故事に基づいています。
中国の秦の始皇帝が、言論統制のために、書・本を大量に燃やし、儒者、つまり当時の学者を生き埋めにした、というものです。
始皇帝は有能な人物で、中国を統一して史上初の「皇帝」となったのですが、統一後の治世には失敗しました。また、圧政を敷いて人々を苦しめたとされます。焚書坑儒もそういった圧政の一つの側面です。
さらに、始皇帝が死んだあと、宦官の趙高らによる政治の混乱もあり、陳勝・呉広の乱をはじめ各地で反乱が起きるようになります。最後は、項羽や劉邦らによって秦は滅びることになりました。
項羽と劉邦の物語は、三国志ほどドラマチックではありませんが、様々な人間ドラマや栄枯盛衰が描かれていて、とても面白くお勧めです。読んだことがない人は、是非どうぞ。
項羽と劉邦(上)ちなみに、「焚書坑儒」と似たような話は、『華氏451度』という作品でも描かれています。
『華氏451度』は、元々SF小説でしたが、映画化もされました。こちらは、故事ではなくフィクションです。
「焚琴煮鶴」とは 読み方と意味
「焚琴煮鶴」は「フンキンシャカク」と読みます。
風流な心がない、とか、殺風景なこと、を意味します。
琴を焼いて、鶴を煮る、という意味ですね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年