山冠(やまかんむり)の下に「甘」と「欠」と書いて、「嵌」という漢字があります。
さて、この「嵌」という漢字をご存知でしょうか。
特許や技術関係の書類でよく使われる漢字です。
「嵌」の読み方 音読みと訓読み
「嵌」は、音読みで「カン」と読みます。
また、訓読みは「は(める)」、「はめこ(む)」、「ちりば(める)」、「あな」、「ほらあな」、「けわ(しい)」です。
「嵌」の意味
「嵌」は、「はめる」や「はめこむ」という意味です。
また、「あな」とか「ほらあな」、「くぼみ」という意味もあります。
「けわしい」という意味で使われることもあります。
それでは、「嵌」を使った言葉を見ていきましょう。
「嵌入」とは 読み方と意味
「嵌入」は「カンニュウ」と読みます。
「はまりこむ」とか「はめこむ」という意味です。
「嵌合」とは 読み方と意味
「嵌合」は「カンゴウ」と読みます。
ぴったりと合うようにはめ込む、とか、入れ込む、はめ合わせる、という意味で使われます。
特許の明細書など、技術関係で使うことが多い用語です。「嵌め合わせる」を短くした言葉です。
「嵌合」を英語で
「嵌合」を英語で表す場合は、fit という語が多く使われます。
「嵌める」とは 読み方と意味
「嵌める」は「はめる」と読みます。
ぴったりと合うように入れる、という意味ですね。
専門文書を除き、一般には「はめる」とひらがなで書くことが多い言葉です。
「嵌工」とは 読み方と意味
「嵌工」は「カンコウ」と読みます。
象眼(象嵌)細工、はめ木細工、埋め木細工、寄せ木細工などのことです。また、そういった細工をする職人のことを指すこともあります。
なお、日本における最古の象嵌製品は「七支刀(しちしとう)」だと言われています。
木製 七支刀(しちしとう)◆日本書紀 古代の剣 コレクション「七支刀」は、奈良県にある「石上神宮(いそのかみじんぐう)」に伝来した、炎のような形をした剣で、国宝に指定されています。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年