足偏(あしへん)に「兪」という漢字を組み合わせると、「踰」という漢字になる。
「踰越」といった熟語で使われる。
さて、この漢字の読み方や意味が分かるだろうか。
「踰」の読み方 訓読み・音読み
「踰」は、音読みで「ユ」と読む。
また、訓読みでは「こ(える)」や「こ(す)」と読む。
「踰」の意味
「踰」は、「こえる」とか「こす」という意味になる。
また、「ますます」とか「いよいよ」という意味で使われることもある。
「踰える」の読み方と意味
「踰える」は「こえる」と読む。
意味は複数あり、「またいで通る」「乗り越える」という意味の他、「時間をわたる」という意味、また「程度や身分などが過ぎる」という意味もある。
森鴎外の小説『山椒大夫』の冒頭に、以下の文がある。
越後の春日を経て今津へ出る道を、珍らしい旅人の一群が歩いている。母は三十歳を踰えたばかりの女で、二人の子供を連れている。
ここで、「母は三十歳を踰えたばかりの女」という部分は、母は30歳を過ぎたばかりの年齢の女性、という意味だ。
山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)
「踰越」の読み方と意味
「踰越」は「ユエツ」と読む。
「のりこえること」や「身分に過ぎたことをすること」という意味がある。
なお、「逾越」と書くこともある。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年