木偏(きへん)に「章」をくっつけると「樟」という漢字になる。
この「樟」は何という漢字かご存じだろうか。
今回は、「樟」についてご紹介しよう。
「樟」の音読みと訓読み
「樟」は、音読みで「ショウ」と読む。
また、訓読みは「くす」とか「くすのき」と読む。
「樟」の意味
「樟」は、その訓読みが示すように、樹木の「くす」や「くすのき」という意味だ。
クスノキ科の常緑高木のことだ。
暖地に多く生育し、樹齢何百年という巨木になることもある。神社などで神木とされるものもある。
確か、宮崎駿監督の『となりのトトロ』で、サツキとメイの家の近くの神社にある大木が「クスノキ」だったはず。メイがトトロを最初に発見した場所だ。
となりのトトロちなみに、「クスノキ」を表す漢字として、「楠」という漢字も多く使われる。特に名字では、「樟」よりも「楠」の方が多く使われる印象。かの有名な「楠木正成」も「楠」の方だ。
それでは、「樟」を使った言葉の例を見ていこう。
「樟脳」とは 読み方と意味
「樟脳」は「ショウノウ」と読む。
クスノキの枝や葉、幹などのチップを蒸留して抽出して得ることができる結晶のことだ。
無色もしくは白色の半透明で、強い樹脂系の香りを持つ。
かゆみ止めなどの外用医薬品や、ゴキブリなどに対する防虫剤、防腐剤の原料として使われる。
「だめになったものや、なりかけたものを蘇生させる」という意味で「カンフル」とか「カンフル剤」という言葉が使われることがあるが、この「カンフル」の語源となったのが、樟脳である。
樟脳はオランダ語で kamfer であり、また英語で camphor である。そのため、「カンファー」と表記されることもある。
ちなみに、なぜカンフル剤が「だめになりかけたものを蘇生させる」という比喩で使われるのかというと、かつて樟脳が強心剤として使われていたからである。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年