木偏(きへん)に冬と書いて「柊」という漢字があります。
この「柊」という漢字の読みや意味を知っていますか。木偏であることから、何かしらの樹木に関係していそうですが…。
また、「柊」はクリスマスに使うと思っている人も多いですが、果たして正しいのでしょうか。
なお、最近では、「柊」を赤ちゃんの名付けに使う例も増えてきています。そのあたりの事情についても説明します。
「柊」の読み方 訓読みと音読み
「柊」は、音読みで「シュウ」と読みます。
また、訓読みでは「ひいらぎ」と読みます。
後述するように、音読みの「シュウ」は、人名に使われることもありますね。
「柊」の意味 鋸歯状の葉を持つヒイラギ
「柊」は、ヒイラギというモクセイ科の常緑小高木の一種です。
ヒイラギの葉は固く、のこぎりのような棘(トゲ)でギザギザしています。
ヒイラギの葉のような、ギザギザした形のことを「鋸歯状」ともいいます。
さて、この「鋸歯状」は何と読むでしょうか。答えは、以下の記事にあります。
柊(ヒイラギ)の用途・使い方
上述のように、鋸歯状の葉を持つ柊は、防犯目的で生垣に使われることもあるようです。
[chat face=”kanta” name=”カンタ” align=”left”]葉がトゲトゲしているから、泥棒も見るだけで侵入を躊躇しそうだ。[/chat]
また、柊は木材としても使われることがあります。それほど大きくないので、主に細工物に使われます。
細工物としては、例えば、櫛(クシ)やそろばん玉などの材料として使われる他、版木や彫刻などにも使われます。また、意外なところで、将棋の駒などにも使われるんですね。
実用的ではないところで、柊は盆栽としても使われることもあります。
なお、節分でも柊が使われることがあります。
節分の意味って、知っていますか?また、節分の日付は実は固定されていないことを知っていましたか。
節分に関する意外な事実は以下の記事でチェックできます。
名前に「柊」を使う例
「柊」は名前にも使われる漢字です。
実は、人名として「柊」が使えるようになったのは、1990年で比較的最近のことです。同じ時期に使用可能になった漢字で、比較的人気の漢字に「凛」があります。
ということで、「柊」を使った人名は、あまり昔には無かったので、比較的新しいイメージがありますね。
さて、「柊」を名付けで使う際には、やはり音読み「シュウ」を使うことが多いですね。
男の子であれば、一文字で「柊(しゅう)」も考えられますし、「柊太(しゅうた)」「柊太郎(しゅうたろう)」など、一般の名前では「秀」や「修」などが使われる「しゅう」という音に「柊」を当てることが可能です。
また、女の子であれば、「柊花(しゅうか)」など樹木に関連する漢字で構成する名前は、漢字の字面でもきれいですし、音もいいですね。そのほか、「柊里・柊莉(しゅり」や「柊奈(しゅな・しゅうな)」なども良い名前ですね。
クリスマスに使うのは「柊」?
「ヒイラギ」といえばクリスマス、と思う人もいるかもしれません。しかし、実はクリスマスで使われるヒイラギは、「セイヨウヒイラギ(西洋柊)」と呼ばれ、「ヒイラギ(柊)」とは別種だということです。
「柊」も「西洋柊」も常緑小高木であることは共通で、葉の形も似ているのですが、種別としては別なのです。
「柊」がモクセイ科モクセイ属であるのに対し、「西洋柊(せいようひいらぎ)」はモチノキ科モチノキ属です。
また、西洋柊は、赤い実が生るのが特徴です。
クリスマスでは定番の樹木ですね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年