人偏(にんべん)に「皆」、もしくは「階」の右側、を組み合わせると、「偕」という漢字になります。
さて、この漢字「偕」をご存知ですか。
「偕老洞穴」という四字熟語でも使われますが…。
「偕」の読み方 音読みと訓読み
「偕」の音読みは「カイ」です。
また、「偕」の訓読みは「とも(に)」です。
「偕に」は「ともに」と読み、「みんなで一緒に」とか「心を合わせて」といった意味になります。
「偕」の意味
「偕」は、「ともに」とか「いっしょに」という意味があります。
また、「ととのう」とか「かなう」という意味もあります。
それでは、「偕」を使った言葉を見ていきましょう。
「偕行」とは 読み方と意味
「偕行」の読み方は「カイコウ」です。
「偕行」の意味は、「ともに行うこと」とか「一緒に行くこと」です。
公益財団法人に「偕行社」と呼ばれる団体があります。主に自衛隊を支援する理念を持つ団体です。
「偕楽」とは 読み方と意味
「偕楽」は「カイラク」と読みます。
「偕楽」の意味は、「(多くの人と)ともに楽しむこと」です。
「快楽」と音は一緒ですが、意味は異なりますね。
もともとは、『孟子』梁恵王・上からの出典のようです。
孟子といえば、「孟母三遷」が有名ですね。
「偕老」とは 読み方と意味
「偕老」は、「カイロウ」と読みます。
「ともに老いること」を意味します。また、「夫婦が老年まで仲良く連れ添うこと」という意味もあります。
後述する「偕老洞穴」で使われます。
「偕老同穴」とは 読み方と意味
「偕老同穴」は、四字熟語で、「カイロウドウケツ」と読みます。
「偕老同穴」の意味は、「夫婦が仲睦まじい」という意味です。「仲の良い夫婦が、死ぬまで添い遂げる」という意味合いもあります。
詳しく説明しましょう。
「偕老同穴」の「偕老」は、上に述べたように、「夫婦が仲良く老年まで連れ添うこと」という意味であり、また「同穴」の「穴」は「墓穴」のことで、「同穴」すなわち「同じ墓」という意味になります。
つまり、「偕老同穴」には、「仲睦まじい夫婦が、老年まで連れ添い、死んでも同じ墓に葬られること」という内容になるわけですね。
もともとは、『詩経』からきた言葉です。
・詩経
なお、海綿動物の一つにも、「偕老同穴(カイロウドウケツ)」と呼ばれるものがあります。
「ガラス海綿」とも呼ばれ、観賞用とすることもあるようです。細長い円筒状の体をもちます。
「偕」に似た漢字「諧」
「偕」に似た漢字に「諧」があります。
さて、この「諧」という漢字を知っていますか。
下記の記事で確認しておきましょう。
⇒「諧(ごんべんに皆、言皆)」という漢字は何?読み方・意味・言葉・熟語「諧謔」「諧調」「俳諧」など
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年