手偏(てへん)に出ると書いて、「拙」という漢字があります。
この漢字「拙」を知っていますか。
今回は「拙」という漢字について説明します。拙い文章ですが、どうぞお読みください。
「拙」の読み方・発音 音読みと訓読み
「拙」の音読みは「セツ」です。
また、「拙」の訓読みは「つたな(い)」「まず(い)」です。
「拙」の意味
「拙」の意味は、「つたない」とか「まずい」です。
また、自分のことを謙遜する場合に使われる漢字です。
「拙い」とは
「拙い(つたない)」は、「下手である」とか「劣っている」という意味で使われます。
例えば、「拙い文章」とは、「下手な文章」という意味になります。
また、「拙い」は「不運である」という意味でも使われます。
このほか、「拙い」は「まずい」と読むこともあります。
「まずい」と読む場合も「下手である」という意味で使われます。
「(料理や食べ物などが)おいしくない」という意味では使われません。その場合は「不味い」という風に書きます。
「料理が拙い」とすると、「料理がおいしくない」ではなく、「料理が下手」ということになりますね。
「拙速」とは 意味と読み方
「拙速」は「セッソク」と読みます。
「拙速」の意味は、「仕事などは早いが、出来が悪いこと」です。
「拙速」の反対の意味を持つ言葉として「巧遅」があります。
「拙悪」とは 意味と読み方
「拙悪」は「セツアク」と読みます。
「拙悪」の意味は、「粗悪で出来が悪いこと」です。
「拙劣」とは 意味と読み方
「拙劣」の読み方は「セツレツ」です。
「拙劣」の意味は、「下手で劣っていること」です。
上に述べた「拙悪」と同じような意味です。
また、「拙劣」の対義語として「巧妙」があります。
「拙著」とは 意味と読み方
「拙著」の読み方は「セッチョ」です。
「拙著」は、自分が書いた本などの著作物を謙遜していう言葉です。
「拙者」とは 意味と読み方
「拙者」は「セッシャ」と読みます。
昔の武士などが自分のことを謙遜して指した言葉です。
昔、『忍者ハットリくん』という漫画があったのですが、この漫画の主人公のハットリくんが、自分のことを「拙者」と言っていました。子供の頃に読んだこの『忍者ハットリくん』という漫画で、私は「拙者」という言葉に初めて出会いました。
「拙宅」とは 意味と読み方
「拙宅」は「セッタク」と読みます。
「拙宅」は、自宅のことを謙遜していう言葉です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年