混合物と純物質はどのように見分けたらよいのだろう。
ある物を見た場合に、それが混合物なのか、それとも純物質なのかを目で見ただけで見分けるのは、困難である。
混合物と純物質を見分ける方法は、混合物と純物質の違いを知ることからはじまる。
純物質は「融点」「沸点」「密度」が一定
まず、前提として、純物質は、融点、沸点、密度などが一定であることを知っておこう。
ということは、同じ純物質であれば、融点や沸点などが常に同じであるということである。逆に言えば、異なる純物質では、これらの値が異なってくるのだ。
例えば、水の場合は沸点は100℃だし、エタノールの場合は78.37℃だ。そして、1気圧下であれば、どの水でも沸点は100℃なのであるし、エタノールの場合は78.37℃なのである。
純物質のこの特徴を踏まえた上で、混合物を見てみよう。
混合物は2つ以上の純物質が混ざったもの
混合物は2つ以上の純物質が混ざってできたものということを思い出してほしい(詳細は「「混合物」と「純物質」の説明と違い、英語での表現」参照)。
つまり、混合物は、融点や沸点が異なる2つ以上の純物質が組み合わさっているものなのだ。
ということは、例えば水と他の純物質の混合物があった場合、この混合物の沸点は、水の沸点とは違ってくる。
つまり、一見すると水のように見えるものでも、その物質の沸点が、水の沸点である100℃ではなかった場合、その物質は水という純物質ではないと判断できる。つまり、その物質は、水と他の純物質の混合物であると判断できるわけだ。
混合物と純物質とは、沸点以外にも、融点や密度を調べることによって見分けることができる。
もちろん、純物質と混合物を見分けるためには、純物質の沸点などの値をあらかじめ知っておくことが前提ではある。
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