「盗んだバイクで走り出す―」とは、尾崎豊の有名な歌「15の夜」の一節だが、今回ニュースになったのはバイクはバイクでもロードバイク、つまり自転車である。
そして、その盗んだ自転車で走ったのは大阪から青森、距離にしておよそ900キロというから驚きだ。しかも、その自転車に乗っていたのは弱冠18歳の少年であった。
事の発端は、青森県鶴田町。五所川原署に連絡が入った。「道の駅つるた」の従業員からである。長時間居座る若い男に不信を持ったという。
警察官がやってきてその男に職務質問をしたことで、その男が18歳の少年で、大阪の守口市からやってきたことが分かった。そして、その少年が自転車を盗み、その自転車を駆って青森まできたことが発覚した。
盗まれたのはどんな自転車?持ち主は?
盗まれた自転車は、1万円相当のロードバイクで、持ち主は大阪市東淀川区の15歳の男子高校生だったという。
はっきりいって、ロードバイクで1万円なんて安いものは見たことがない。いくら安くても、2万から3万くらいだろう。1万円のロードバイクなんて、性能的には良くない自転車だと思うが、そんな自転車で900キロもの距離を走破したというのだから、犯人の体力と精神力には見上げたものがある。
犯人の少年はどんな少年?
この犯人の少年は、実は家出少年で、2016年9月に家族から行方不明の届け出が出されていた。そして、その家族の居場所が横浜市というから、訳が分からない。
つまり、犯人の少年は、何らかの方法で横浜から大阪までやってきて、そこでロードバイクを盗んで青森まで走破した、ということ?
何がこの少年をここまで駆り立てたのだろうか。まるで、全国指名手配されているようだ。いや、指名手配されているような男でもこの少年ほどの根性はないだろう。
大阪から青森に行くよりも、横浜の自分の家に帰る方が近いわけだが、この少年はそうしなかった。
よほど自分の家に帰りたくない理由があるのだろうか。
青森で逮捕されたとき、犯人の少年の所持金は数円(この時代に数円の所持金だなんて、信じられない)で、少年は「3日間くらい何も食べていない」と話したという。行き倒れになる前に確保されて良かった。
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