貝に蓄積された毒のことを「貝毒」といいます。
日本でよくみられる貝毒に、「下痢性貝毒」と「麻痺性(マヒ性)貝毒」があります。
このうち、特に「麻痺性貝毒」は重症になると死につながる危険性もあります。
詳しく見ていきましょう。
貝毒の症状
貝毒には消化器系と神経系の中毒症状があり、上に述べたように「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」が日本でよく見られます。
ところで、貝毒の原因となるのは、「貝毒プランクトン」と呼ばれる植物プランクトンです。貝自体が常に毒を持っているわけではありません。
この貝毒プランクトンを二枚貝が食べ、その体内に毒が蓄積されることにより、その貝が毒化するわけですね。
「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
下痢性貝毒の症状
下痢性貝毒の症状としては、下痢・吐き気・嘔吐・腹痛などです。
症状はもちろん苦しいこともあるでしょうが、死亡にまで至ることはないといいます(過去に死亡例がないそうです)。
これらの症状は、他の食中毒とほぼ同じですが、下痢性貝毒の場合は発熱がないため、区別できるそうです。
下痢性貝毒を持つ貝の種類
下痢性貝毒を持つ貝の種類としては、ムラサキイガイ、ホタテ貝などがあります。
麻痺性貝毒の症状
麻痺性貝毒の症状としては、唇の周りから痺れはじめ、しびれが首から全身に広がっていくといいます。
重症になると、呼吸麻痺により死亡することもある。怖いですね。
麻痺性貝毒を持つ貝の種類
麻痺性貝毒を持つ貝の種類としては、アサリ、ホタテ貝、赤貝、アカザラガイなどがあります。
ホンビノス貝に貝毒はある?
最近、ホンビノス貝がスーパーなどでも見られるほど身近になってきました。安価でありながら、美味しいということで、結構人気ですね。
ホンビノス貝は、元々日本にはなかった種類の貝で、原産地は北米です。北米からやってきた船の船体に付着してやってきた、とかバラスト水に混ざって運ばれた、とか様々な説があるようです。
さて、最近人気のホンビノス貝ですが、ホンビノス貝にも貝毒はあるのでしょうか。
ホンビノス貝は、アサリなどと同じ二枚貝ですので、貝毒を持つ可能性はあります。
ただ、スーパーなどで売られているホンビノス貝については、それほど心配しなくてもよさそうです。
というのも、自治体などが貝毒検査や水質調査などを行っており、貝毒が出る可能性があるときは、出荷規制や流通規制を行うからです。
ただ、潮干狩りなど、個人が取る場合には、気を付けた方が良いかもしれません。なお、潮干狩り業者にも自治体からの指導がありますので、業者の管理の元で行う潮干狩りは、ある程度安全だといえるでしょう。
個人で行う潮干狩りなどで貝を採取した場合は、その時期に採取した場所で貝毒が発見されていないか、自治体などから貝毒に関する注意や警告が出ていないか、確認するようにしましょう。
貝毒の時期
貝毒が発生する時期は、場所によって異なるようですが、基本的に春先から夏にかけて発生することが多い(三重県の例)そうです。
大阪府をはじめ、兵庫県、和歌山県、徳島県など大阪湾周辺では広域的に有毒プランクトンが発生しており、例年3月後半から4月頃にアサリやアカガイなどで麻痺性貝毒が検出されているということです。
海に面している自治体のウェブサイト・ホームページなどで貝毒情報が見れる場合があるので、チェックするようにしましょう。
例えば、大阪府の海岸については、大阪府のページに貝毒の発生状況について報告されています。
貝毒は加熱すれば大丈夫か
貝毒は熱に強いため、加熱調理しても無毒にはならない。
基本的に、貝毒の出荷規制海域で取れた貝については、食べないように気を付けましょう。
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-参考資料-
・堺市ウェブサイト、http://www.city.sakai.lg.jp/kenko/shokuhineisei/shokuchudokuyobo/kaidoku.html・大阪府ウェブサイト、http://www.pref.osaka.lg.jp/shokuhin/shokutyuudoku/kai.html
・三重県ウェブサイト、https://www.pref.mie.lg.jp/SUISAN/HP/38846033586.htm#:~:text=%E8%B2%9D%E6%AF%92%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%BB,%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B6%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82