4文字で書かれた熟語のことを「四字熟語」と言いますが、そんな四字熟語に「深謀遠慮」というものがあります。「しんぼうえんりょ」と読みます。
この四字熟語の意味を知っていますか。
また、似たような四字熟語に「深慮遠謀(しんりょえんぼう)」というものもあります。「深謀遠慮」と「深慮遠謀」との違いとは何でしょうか。
「深謀遠慮」の意味
「深謀遠慮」は、「深く考えることにより、将来の遠い先のことまで見通した周到かつ綿密な計画を立てて、準備すること。また、その計画」という意味です。
つまり、目先のことを対処するのではなく、2手3手先のことを見据えて計画を練る、というような意味です。
私が初めてこの四字熟語に出会ったのは、確か中国の昔の歴史や文学、特に三國志などをよく読んでいた中学生時代のことだと思います。
その三国志に「諸葛亮(日本では「孔明」という字でも有名ですね)」という、とても頭の良い人物が出てくるのですが、この諸葛亮こそが、まさに「深謀遠慮」のお手本のような存在ではないでしょうか。
・諸葛孔明 人間力を伸ばす7つの教え (中国ビジネス思想の源流を知る)
「深謀遠慮」の「深謀」は、「深く謀る(はかる)」と書かれていることからも分かるように、「深い見通しをもったはかりごとや考え」のことを意味します。
また、「遠慮」は「遠慮する」という意味ではなく、「将来について考えを巡らす」とか「遠い将来のことまで考える」という意味です。
「深謀遠慮」の出典
「深謀遠慮」が使われたのは、紀元前の中国の思想家である賈誼(かぎ)の「過秦論」です。
「深謀遠慮」と「深慮遠謀」の違い
「深謀遠慮」に似た四字熟語として、「深慮遠謀」があります。
これらの違いは、というと特にないようです。
私が初めて「深謀遠慮」を覚えた時、時々「深謀遠慮」と「深慮遠謀」とがごっちゃになって困った覚えがあります。どっちが正しいんだろう、と。
今思えば、混乱した理由は、本を読んでいるときに、両方の用法に出会ったからなのだと思います。
より正しい用法は「深謀遠慮」の方で、よく使われているのもこちらのようです。
ただ、「深慮遠謀」も、一般的ではないですが、意味としては成り立つものだと思います。字面だけ見ても、「深く慮り、遠くはかりごとを巡らす」という風に解釈できますからね。