タックスヘイブン(タックスヘイヴン)という言葉を聞いたことがありますか。
税金が無かったり、税率が著しく低い国や地域のことを指します。
今回は、タックスヘイブンについて学びましょう。
タックスヘイブンとは
タックスヘイブンは、英語 tax haven の読みをそのままカタカナ書きにしたものです。
タックス(tax)とは、税金のことを意味する英語で、ヘイブン(haven)は「避難所」という意味です。つまり、ヘイブンは、「天国」を意味する heaven ではありません。まあ、「税金天国」と考えてもあながち間違いではありませんが。
タックスヘイブンは、日本語で「租税回避地」や「低課税地域」とも呼ばれます。
タックスヘイブンの国・地域
タックスヘイブンとして有名な場所に、イギリス領ケイマン諸島やパナマの他、ルクセンブルクやモナコなどがあります。
タックスヘイブンの何が問題か
タックスヘイブンがなんで問題になるのか、というと、多国籍企業や富裕層が、資産などをタックスヘイブンの国や地域に移し、意図的に税金逃れをするケースが後を絶たないからです。
税金逃れ、つまり脱税以外にも、マネーロンダリングなどの犯罪に使われることもあるようです。
タックスヘイブンを利用した脱税の摘発例
タックスヘイブンを利用した脱税の摘発例もあります。
バンガードエンタープライズの事例
東京都千代田区の海運会社「バンガードエンタープライズ」が、租税回避地(タックスヘイブン)を悪用して約8億円の所得隠しをしていたことが分かりました。
バンガードエンタープライズは、鋼材の海外輸送などを行っている会社です。
この会社は、タックスヘイブンとして有名なパナマに実質的な子会社を保有しているものの、無関係の会社のように装っていたそうです。その際、第三者の名義で株主を登記できる制度を悪用していたようですね。
パナマの登記制度は匿名性が高く、この会社はその登記制度を悪用して所得隠しをしていたようです。
東京国税局は、2016年までの7年間で、同社が約8億円の所得を隠したと指摘しました。そして、重加算税を含む法人税約3億円を追徴課税したそうです。
2015年にパナマ文書が流出しましたが、同文書に「バンガードエンタープライズ」の名前は入っていたのでしょうか。ニュースが流れたとき、同社は肝を冷やしたのではないか。
2016年に、日本とパナマの間で、租税協定が結ばれ、税務情報が交換されるようになりました。バンガードエンタープライズによる所得隠しの発覚は、この租税協定による成果かもしれません。
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