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2013年マスターズ、石川遼の成長と課題
投稿日:2013年4月17日

2013年のマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament)は、オーストラリアのアダム・スコット(Adam Scott)が9アンダーでプレーオフの末に優勝しました。

日本人選手で出場したのは、藤田寛之石川遼の2人だけです。少し寂しかったですね。そして、藤田は惜しくも予選敗退となりましたので、決勝で戦った日本人選手は石川遼だけでした。





成長を証明し課題を得た石川遼

今年のマスターズ・トーナメントで、決勝に残った唯一の日本人選手である石川遼は、通算で4オーバー、38位タイという成績を残しました。

石川は、今年で5年連続のマスターズ出場となりました。これまでの成績を見てみましょう。

順位 最終スコア スコア
2009年 73位タイ(予選落ち) +6 73 77 - -
2010年 49位タイ(予選落ち) +4 72 76 - -
2011年 20位タイ -3 71 71 73 72
2012年 77位タイ(予選落ち) +9 76 77 - -
2013年 38位タイ +4 71 77 76 68

上記を見ても分かるように、今回の大会では、2011年の大会でマークした3アンダーの20位という成績には及びませんでしたが、最終日に自己ベストのスコア68を叩き出しました。70を切ったのは、これが初めてだったのです。

最終日では、7つのバーディー、1つのボギー、1つのダルブボギーと、まさに快進撃でした。最終日でスコア68というのは、実はトーナメント上位5選手(アダム・スコット、アンヘル・カブレラ、ジェイソン・デイ、タイガー・ウッズ、マーク・リーシュマン)の最終日のスコアをも上回る成績だったのです。

この最終日の快進撃について、石川は「あと2つぐらいはいけた」と振り返り、また「今日の結果はまぐれじゃない。どのピンポジションでもバーディーを狙えることがわかった」と手ごたえを感じたようです。*1

ただ、やはり課題はあります。パーオン率を他の選手と比較してみましょう。

スコット ウッズ 石川
パーオン率(%) 76.39
(1)
65.28
(17)
61.11
(35)
カッコ内は決勝進出者全体における順位 (出典:石川、聖地で得た宿題、日本経済新聞、2013年4月16日)

パーオン率は、やはり上位選手と比較すると、大分落ちます。特に優勝したスコットと比較すると、15%以上も低くなっています。パーオン率の順位と実際の順位とが、ある程度相関性を持っていることにも注目です。ショットの正確性をもう少し磨く必要があるのは明白ですね。そのために、ドライバーの飛距離も上げたいところです。

日程別のスコアを見ると、特に2日目と3日目に崩れたのが痛かったですね。上位の選手を見てみると、全日程で安定したスコアを出しており、先ほど上げた5選手については、全日程で74以上は出していません。石川のプレイスタイルからすると、どうしてもスコアが上下するのは仕方ないかもしれませんが、やはり全日程で2オーバー以下に抑えてほしいですね。2011年に3アンダーで20位につけたときは、スコア70を切っていないにも関わらず、大きく崩れなかったので、好成績に結びつきました。

また、傾向としては、予選最終日に大きく叩いてしまうことが多いと思います。プレッシャーが影響しているのでしょうか。そのあたり、これから精神的にもさらに成長していって欲しいですね。


参考資料
*1)石川、聖地で得た宿題、日本経済新聞、2013年4月16日

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