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成長を証明し課題を得た石川遼
今年のマスターズ・トーナメントで、決勝に残った唯一の日本人選手である石川遼は、通算で4オーバー、38位タイという成績を残しました。
石川は、今年で5年連続のマスターズ出場となりました。これまでの成績を見てみましょう。
年 |
順位 |
最終スコア |
スコア |
2009年 |
73位タイ(予選落ち) |
+6 |
73 |
77 |
- |
- |
2010年 |
49位タイ(予選落ち) |
+4 |
72 |
76 |
- |
- |
2011年 |
20位タイ |
-3 |
71 |
71 |
73 |
72 |
2012年 |
77位タイ(予選落ち) |
+9 |
76 |
77 |
- |
- |
2013年 |
38位タイ |
+4 |
71 |
77 |
76 |
68 |
上記を見ても分かるように、今回の大会では、2011年の大会でマークした3アンダーの20位という成績には及びませんでしたが、最終日に自己ベストのスコア68を叩き出しました。70を切ったのは、これが初めてだったのです。
最終日では、7つのバーディー、1つのボギー、1つのダルブボギーと、まさに快進撃でした。最終日でスコア68というのは、実はトーナメント上位5選手(アダム・スコット、アンヘル・カブレラ、ジェイソン・デイ、タイガー・ウッズ、マーク・リーシュマン)の最終日のスコアをも上回る成績だったのです。
この最終日の快進撃について、石川は「あと2つぐらいはいけた」と振り返り、また「今日の結果はまぐれじゃない。どのピンポジションでもバーディーを狙えることがわかった」と手ごたえを感じたようです。*1
ただ、やはり課題はあります。パーオン率を他の選手と比較してみましょう。
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スコット |
ウッズ |
石川 |
パーオン率(%) |
76.39
(1)
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65.28
(17)
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61.11
(35)
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カッコ内は決勝進出者全体における順位 (出典:石川、聖地で得た宿題、日本経済新聞、2013年4月16日)
パーオン率は、やはり上位選手と比較すると、大分落ちます。特に優勝したスコットと比較すると、15%以上も低くなっています。パーオン率の順位と実際の順位とが、ある程度相関性を持っていることにも注目です。ショットの正確性をもう少し磨く必要があるのは明白ですね。そのために、ドライバーの飛距離も上げたいところです。
日程別のスコアを見ると、特に2日目と3日目に崩れたのが痛かったですね。上位の選手を見てみると、全日程で安定したスコアを出しており、先ほど上げた5選手については、全日程で74以上は出していません。石川のプレイスタイルからすると、どうしてもスコアが上下するのは仕方ないかもしれませんが、やはり全日程で2オーバー以下に抑えてほしいですね。2011年に3アンダーで20位につけたときは、スコア70を切っていないにも関わらず、大きく崩れなかったので、好成績に結びつきました。
また、傾向としては、予選最終日に大きく叩いてしまうことが多いと思います。プレッシャーが影響しているのでしょうか。そのあたり、これから精神的にもさらに成長していって欲しいですね。
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