輝きを失わないイチロー
実質的に、「4番手の外野手」という位置づけにより、イチローは開幕から代打での出番がほとんどだった。それでも、イチローは結果と存在感をかろうじて示してきた。
しかし、チームは、開幕ダッシュに失敗、4月19日には早々と10敗目を喫した。勝率にして、.231。ナショナルリーグ東地区でどん底状態にあるマーリンズでは、監督の更迭の話もちらほら聞こえてくるようになった。
そして、チームが10敗目を喫したその頃、外野手でスタメンを張っていたC.イェリッチが背中の痛みにより故障者リスト入りすることになった。チームとしては、まさに危機的な状態であった。
しかし、イェリッチのDLリスト入りは、イチローの先発出場の機会を増やすことになった。そして、我々は、水を得た魚のように躍動するイチローの姿を見ることができるようになったのである。
イチローの躍進で特筆すべきは、4月29日から5月7日まで8試合続いた連続試合安打。この間に、.263だった打率を.286まで上げている。また、この期間中に、打点も6打点挙げた。現在(日本で5月9日)、イチローの打点は8であるが、これはチーム内で、M.モース、M.オスーナと並んで5位である。
敵のちょっとしたミスも見逃さず、果敢に走塁し得点を挙げた試合もあった。この試合では、イチローが打点を挙げ、イチローの好走塁で得点。チームの全得点である2点に絡む活躍を見せ、チームの2-1の勝利に大きく貢献した。
イチローの好走塁
そして、まるでイチローの先発出場に呼応するかのように、チーム状態も上がってきた。勝率も、.231だったのが、5月8日には、.467と大幅に改善した。東地区の4位であるものの、首位のメッツとはわずか4.5ゲーム差だ。
5月8日にイェリッチは復帰し、この日の試合で、残念ながらイチローは再び控えに回った。しかし、それまでに先発出場することにより、イチローがチームに大きく貢献してきたことは誰の目からしても明らかだ。
選手の契約なども絡むことなので、安易にイチローを先発メンバーに加えることはできないかもしれない。しかし、イチローの先発出場の機会は以前よりも増えるのではないだろうか。そして、それこそが、チームがさらに浮上するための一つのキーポイントとなるかもしれない。
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