イチロー、ベーブ・ルースを抜くも…


2015年5月22日、マイアミ・マーリンズのイチローは、対オリオールズ戦でレフト前へヒットを放った。これがメジャー通算2874本目のヒットとなり、これまで並んでいたベーブ・ルースの安打記録を抜いて、メジャーリーグ歴代通算安打数で単独42位に浮上した。

しかしながら、「野球の神様」の通算安打数を抜いたことに対して、イチロー本人は淡々としている。

-------------------------
「それこそアメリカ野球の象徴、神様みたいな人」とルースへ尊敬の念を示し、「僕とは全然タイプが違って安打の数が比較にはならないでしょう。体形なんかも含めて僕とは全然違う。アメリカの人、野球の歴史が好きな人、ルースが好きな人にとっては何かあるのかもしれませんが、それ以外の人にとっては名前のインパクトだけじゃないのかな」*1
-------------------------

このイチローの「名前のインパクトだけ」という指摘は、当を得ている。ベーブ・ルースは豪快な本塁打が魅力な選手だったし、ヒットを打つ技術を磨くことを目指すイチローとはいわば対極にいる選手だからだ。

また、歴代通算安打数の順位が42位ということも、イチロー自身の達成感にはそれほど寄与しないと思う。今までの第42位が「たまたま」ベーブ・ルースというビッグネームであったためにクローズアップされたという認識だろう。

なお、現役選手で、歴代通算安打数がイチローよりも上位にいる選手が一人いるのをご存じだろうか。それは、A.ロドリゲス(A. Rodriguez、A.ロッド)である。現時点でのA.ロッドの安打数は2973本と、3000安打まであと27本としている。薬物問題で物議をかもしたが、長打力を誇る選手でこの安打数はすごい(ちなみに、A.ロッドの本塁打数は現在664本で歴代4位、歴代3位のベーブ・ルースとの差は50本である)。薬物使用がなくても、かなり数字を残せていたはずの選手なので、薬物問題という汚点が本当に残念である。

さて、イチローが歴代安打数で乗り越える次の「大物」は誰だろうか。

「大物」とは少し違うかもしれないけれど、記憶に新しい選手では、40位O.ビスケール(O. Vizquel)の2877本があるが、これはすぐに超えるだろう。

他に記録が近い選手としては、W.キーラー(W. Keeler)が2932本で34位につけている。出場回数にもよるが、おそらく今年中にW.キーラーの記録は超えると思う。

やはり目指してほしいのは、メジャー通算3000本安打だろう。キリの良い数字であることはもちろん、現在歴代通算安打数3000本で28位につけているのがR.クレメンテ(R. Clemente)という野球殿堂入りも果たしている名選手なのだ。

出場機会は減っているものの、与えられたチャンスでは結果を残してきているイチロー。これからも色々な記録の達成に期待が持てそうだ。


参考資料:
*1 イチロー、安打数での比較には否定的 ルースとは「タイプが違う」、スポニチアネックス、2015年5月23日配信、http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/05/23/kiji/K20150523010401520.html

広告

トップ記事一覧>イチロー、ベーブ・ルースを抜くも…
トップ
記事一覧

広告
記事No.017 (記事一覧

記事カテゴリ:
野球 Baseball

初投稿日:
2015年5月23日 

更新日:    


広告